六十七匹目
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いる障壁で防げただろう。
既に無意識の障壁がそのレベルに達している事実は秘匿できたので無意味ではなかったかもしれない。
僕らの護衛陣形をほほえましそうに大人たちが見ている。
馬車のある所まで行くと御者さんが待っていた。
馬車も特別性というか僕が創った。
分子結合多重魔法陣素材で出来ていて軽量かつ頑強。
加えて錬金術で作った簡易のばね式サスペンションで揺れを軽減できる。
僕が指をならせば即座に魔法障壁を張れる優れモノ。
形は王室の馬車そのままに重量軽減と耐久力向上を成功させている。
馬車を作る業者に恨まれると嫌なので王家にはこれ以外作ってないけど。
馬車の中の席はクーちゃんの横にシャクティ、正面に僕、その隣にメリーちゃんだ。
馬車が動き出す。
「ほんとに揺れないな、この馬車は」
「まだまださ。科学世紀の車には遠く及ばないよ。とはいえ、これ以上は無理かな。道の舗装をやり直すしかないよ」
嘘だ。
まだやれることはある。
タイヤの材質を変えればいい。
でもそれはやりたくない。ゴムはまだもう少し出し渋っていよう。
「すごいのね。貴方のいた世界は」
「すごくないよ。全然。いつかこの世界が追い越すよ。僕たちの世界にはどうあがいても魔法なんてなかったからね」
科学世紀といまのフローティアが戦争をすればフローティアが負ける。
”今はまだ”
だがもしも魔法で核を扱えたらどうなるだろうか?
そう考えるとこの世界で科学を発展させることは果たしていい事なのだろうかと思ってしまう。
でもそういう考えって傲慢なんじゃないだろうか。
そんなことを考えているとメリーちゃんが僕の頬をつついていた。
「うゅ?」
「むにむに」
「なにすんのさ」
「そこに、むにむにがあったから」
「うゅうゅうゅ」
「ぬいちゃん、科学世紀の話すると、悲しそう」
「っ、ごめんなさいシラヌイ」
「謝る事じゃないよ。くーちゃん。僕の問題だからさ」
「うんうん。これからパーティーだ。楽しくいこうじゃないか」
シャクティが無理やり話を締めた。
普段アホそうだがそういった機微をちゃんと感じ取れる人なのだ。
いや、まぁけしてアホではない。
アホではないのだが僕らがいると考えるのを任せているようだ。
カタンカタンと馬車にゆられ、やがて学園へと近づいていく。
窓の外を見ると他にも馬車が見える。
他に歩いていく人もいる。
「めんどうね。私たちも歩きか空で行きたかったわ」
「王族の義務ってやつだね」
「貴方もよシラヌイ」
「僕はいいのさ」
「そうねぇ貴方の立場ずるいわ
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