第二章
[8]前話
「コーダに言うわ」
「どう言うの?」
「お友達を牧場に連れて来て一緒に住んだらってね」
「そう誘うの」
「家畜じゃないけれど牧場に住む位ならいいでしょ」
「ええ、寝床位はね。食べものは森で食べてもらって」
そしてとだ、母も答えた。
「それならいいわ」
「じゃあね」
「コーダが戻って来たら」
「言うわ」
笑顔で言ってだ、そしてだった。
レイチェルはコーダが戻って来ると彼女に言った。
「お友達牧場に案内して。彼はそこで暮らしてもらうわ」
「ワンッ」
コーダはレイチェルの言葉に尻尾を振って応えた、そしてすぐにだった。
森の中に入って一匹の大きな雄鹿を連れて帰って来た、レイチェルは雄鹿にも笑顔で言った。
「これからは牧場で一緒に暮らしてね」
「キャン」
鹿はレイチェルの言葉に笑顔で応えた、そうしてだった。
鹿はレイチェルの母親の牧場に入ってそこの寝床の空いている場所に寝起きして。
食事は牧場の外に出て森の中で食べた、その時はいつもコーダが一緒で二匹は仲良く暮らしていた。その光景を見てレイチェルは母に言った。
「犬と鹿で」
「種類が違ってもね」
「それでもお友達になれるのね」
「そうね、こうしたこともね」
まさにというのだ。
「あるのね」
「ええ、じゃあこれからは」
「あの子達は一緒にね」
「ここで暮らしていくことになるわ」
「そうね、コーダも前の通り絶対に家に帰る様になったし」
そうなったのでというのだ。
「だからね」
「万事解決ね」
「そうなったわね、じゃあ私達はね」
「二匹をこのままね」
「ずっと仲良くいられる様にしましょう」
「牧場も他のことも頑張って」
「そうしてね」
母娘で笑顔で話した、そうして。
レイチェルは結婚してからも母の牧場で働きそこにいる牛や馬や鶏や豚そしてコーダとロンと名付けられた鹿と共にだった。
暮らしていった、コーダとロンはずっと一緒にいて仲良くしていた。レイチェルは家族と共にその彼等を見て笑顔になった。種族の垣根を越えて友情を育んでいる彼等を見て。
オンタリオの絆 完
2021・3・24
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