チノへのプレゼント
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
彼女はそのまま大股で真司に詰め寄り、その頭をがっしりと鷲掴みにする。
「おい、店長でなく普通にさん付けでいい……それよりお前、今日ナベさんの手伝い終わったらウチの手伝いやるって約束したよな?」
「はっ!」
真司の表情から、どうやら忘れていたらしい。
店長___真司のバイト先の店長だろう___は顔を真司にぐいっと近づける。
「なあ真司。実は知り合いがこの前、シベリアの支部に飛ばされてなあ?」
「……ま、マジっすか?」
「ああ。嫌だよな? 飛ばされたくないよな?」
「そ、そうっすね。飛ばされたくないっすね?」
すると、店長は満面の笑みを浮かべた。
「私ってさ。いい店長だよな?」
「は、はいいいい!」
言わされてるなあ、と可奈美は口は動かしても声にはしなかった。
「そんな店長がさあ? 頼み事をしたらどうする?」
「はい! すぐに行きます!」
真司は敬礼し、可奈美達に一言いう。
「悪い。俺、ちょっと用事できちまった。それじゃあ、またな!」
そのまま店長に連れていかれた真司を唖然として見送ったのち、沈黙を破ったのは友奈だった。
「ま、まあ。真司さんからは私が言っておくから。パーティー楽しみだね!」
「そうだね!」
「そ、そうだ! それでさ」
ココアは話を再び切り出した。
「プレゼント交換とは別に、チノちゃんにプレゼントを買ってあげたいんだ。いつもお世話になってるし」
「あ、それ私も」
可奈美もココアの言葉に賛同した。
「いつもラビットハウスでお世話になりっぱなしだもんね。私達」
「そうなの! さすが私の妹! 私の考えがよくわかってる!」
ココアが可奈美に抱き着く。さらに、両手で友奈と響を巻き込むようにしてぎゅっとした。
「うわ〜! 町中でココアちゃん大胆!」
響の言葉を気にも留めず、ココアは続ける。
「折角だからさ。ここでみんなでそれぞれのプレゼント交換のものを買って、そのあとチノちゃんへのプレゼントを選ぼうよ!」
「「「賛成!」」」
三十分後。
集まった女子四人は、チノへのプレゼントを買おうとクリスマスマーケットを歩き回っていた。
「うわあ、これすごいね!」
友奈がそんな声とともに注目したのは、オルゴールだった。
白いウサギののオルゴールであり、背中にシリンダーが埋め込まれていた。
「ウサギのオルゴールだ! チノちゃん、ウサギが大好きだから、きっと気に入るよ!」
「そうだよね。じゃあ私はこれにしよう!」
友奈はそう言って、オルゴールを掴み取る。彼女曰く、何とか残っていたバイト代で支払った。
「オルゴールか……チノちゃんって、ウサギとあとどういうのが好きだ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ