第二章
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「だから今日からは」
「その子も家族ね」
「それでいいね」
「ええ、ただオオヤマネコだから」
この生きものだからだとだ、妻は夫に話した。
「普通の猫ちゃんとは違うから」
「そのことは注意してだね」
「育てていきましょう」
「そうしないとね」
夫も頷いた、そうしてだった。
二人はネットで調べたり診察してもらった獣医から話を聞いてその子猫を育てることにした。子猫は雄でボブと名付けられた。
茶色と白の毛並みは普通の猫と変わらない、だが。
「やっぱり大きいね」
「ええ、ボブはね」
成長した彼を見つつ言った、ボブは家の中で普通の猫がそうしている様に我がもの顔で動き回っている。
そうして欠伸をして寝るのだが。
その彼を見てだ、妻は夫に話した。
「普通の猫よりもね」
「やっぱり大きいな」
「そうね、けれどね」
「そのことはな」
「わかっていることだし」
ボブがオオヤマネコであるからだ。
「だからね」
「そのことも踏まえてな」
「これからも一緒にいましょう」
「そうだね」
「私達にも懐いてくれてるしね」
我儘であってもだ。
「それにパトリックにもね」
「いい友達、弟だし」
「それに一旦家族に迎えたなら」
「最後まで一緒にいる」
「そうしないと駄目よ」
こう夫に言った。
「だからこれからもね」
「ボブは僕達の家族だよ」
「普通の猫じゃないけれど」
オオヤマネコだがというのだ。
「それでもね」
「ボブは僕達の家族だよ」
「そうね」
「ボブ遊ぼう」
ここでその息子のパトリックが猫じゃらしを出してボブのところに来た。
「ほら、これでね」
「ニャア」
ボブはその猫じゃらしを見るとだった。
すぐに前足を出した、そうして猫じゃらしに必死に足をやっていった。そんな彼を見て息子も夫婦も自然と笑顔になった。その姿はまさに猫そのものだった。
オオヤマネコでも 完
２０２１・３・２１
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