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レーヴァティン
第百九十六話 鎌倉入りその三

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「そういう訳でもない」
「だからですね」
「それを越えたので」
「だからですね」
「後はだ」
 その箱根を越えたならというのだ。
「伊豆、そしてな」
「相模とですね」
「進んでもらいますね」
「そして小田原攻めにも来てもらう」
「そうしてもらいますか」
「そうする、その様に伝える」
 その軍勢にというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「ではその様に命じましょう」
「そしてですね」
「小田原はですね」
「必ず手に入れる」
 英雄は強い声で言った、そうしてだった。
 軍勢を鎌倉に進めていった、その間戦にはならず進軍は順調だった。だが鎌倉の前には一万の軍勢がいてだった。
 英雄が率いる軍勢に向かわんとしていた、英雄はその敵軍を見て言った。
「降る気はない様だな」
「左様ですね」
「数で圧倒的に劣っていますが」
「それでもですね」
「戦う気ですね」
「鎌倉に籠らずにな」
 それはせずにというのだ。
「外に布陣して来るとはな」
「意地でしょうか」
「一戦もせずに降ることはしない」
「武士の意地として」
「そうするのでしょうか」
「そうかもな、それならだ」
 英雄は強い声で言った。
「俺もだ」
「戦われますか」
「その意を汲んで」
「そうしますか」
「受けて立つ、陣は鶴翼だ」
 その陣で戦うというのだ。
「十二段のな」
「はい、それでは」
「すぐにその陣を組み」
「そうして戦いましょう」
「これより」
 諸将は英雄の言葉に頷いた、そうしてだった。
 実際に幕府の軍勢は十二段の鶴翼になりそうして敵に向かった、敵は前に堀や柵をもうけてだった。
 守りに徹していた、だが英雄はその守りに徹した敵軍を見て命じた。
「大砲を前に出せ」
「砲撃ですね」
「まずはそれですね」
「そこから攻めますね」
「そして術と鉄砲もだ」
 この二つもというのだ。
「前に出してだ」
「そうしてですか」
「敵を撃ちますか」
「そうしますか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「敵の守りを崩す、守りは固いが」
「それをですね」
「攻めて壊す」
「そうしますか」
「ここはな、幾ら守りが固くとも」
 それが徹底したものでもというのだ。
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