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猫嫌いだったのに
第一章
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                猫嫌いだったのに
 この時救急隊員の佐伯一馬黒髪を短くしていて顎髭を生やしている彼は困っていた。
 毎晩悪夢にうなされていた、そして診察を受けると。
「PTSDですね」
「そうなのですか」
「はい、暫く落ち着いて」
 そうしてというのだ。
「穏やかに暮らして下さい、何かの癒しもです」
「いいですか」
「兎に角ストレスを解消して」
 そしてというのだ。
「癒していきましょう」
「わかりました」
 一馬は頷きはした、それでだった。
 仕事はストレスが少ない部署も回されて比較的穏やかな生活になった、それで少しずつ治療していっていたが。
 その中でだ、彼はパーティーに参加し。
 そこである女性にこう言われた。
「実は猫の里親を探していまして」
「猫ですか」
 一馬は猫と聞いて眉を曇らせてこう返した。
「俺実は猫は」
「お嫌いですか」
「子供の頃襲われましたしアレルギーも」
 猫アレルギーもというのだ。
「持っていまして」
「それで、ですか」
「猫は、ただ」
「ただ?」
「何かです」
 自分でも不思議な位乗り気なものを感じてだった。
「是非にとです」
「思われていますか」
「はい、ですから」
 女性に自分のその乗り気に戸惑いながら話した。
「よかったら」
「はい、それでは」 
 女性も笑顔で応えた、こうしてだった。
 一馬は一匹の猫を引き取ることになった、その猫は。
 生後八週間の白い雄の子猫だった、目は黒い。女性は一馬にその猫を引き渡してから笑顔で話した。
「とてもいい子ですから」
「だからですね」
「はい、一緒に暮らしていて」
 そうしていてというのだ。
「楽しいですよ」
「そうですか、それじゃあ」
「お幸せに」 
 女性は一馬に笑顔で言った、そうしてだった。
 一馬は猫と共に家に帰ろうとしたがここでふと気付いてだった。
 ペットショップに入ってそうして店員に言った。
「猫に必要なものをです」
「トイレ等をですか」
「全部下さい」
 こう店員に言った。
「実は飼うことになりまして」
「そうですか」
「はい、ですから」
 猫に必要なものをというのだ。
「お願いします」
「わかりました」
 店員は笑顔で頷いてくれてだった。
 実際にそうしたものを全て用意してくれた、それ等を買ってだった。
 家に帰るとすぐにトイレの用意をしてご飯を出した、それから。
「猫の飼い方についてですか」
「ネットで検索して本も買ってだよ」
 一馬は職場の後輩に職場の近くの食堂で昼食を共に食べながら話した、二人共食べているのは親子丼である。
「そうしてな」
「調べてるんですか」
「そしてだよ」
「猫を飼ってますか」
「ああ、シロ
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