第二章
[8]前話
「去勢したわ」
「そうしたのね」
「確かに高かったけれど」
去勢の手術代それはというのだ。
「けれどね」
「お金の問題じゃないわね」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「迷わずによ」
「お金払ったのね」
「そうしたわ、それでこの子はね」
ノストランドを見ながらさらに話した。
「家族になったわ」
「そうなのね」
「ええ、そうなったから」
それでというのだ。
「これからはずっと一緒よ」
「ニャア」
ノストランドはここでテーブルの上に来た、そして二人の間にちょこんと座って同僚の方を見て一声鳴いた。
その彼を見てだ、同僚はカレンに話した。
「去勢のお金出すのが嫌な人も問題だけれど」
「それで猫を捨てる人はね」
「けれどね」
「去勢の手術代が高いこともね」
「問題ね」
「このニューヨーク州はね」
「アメリカは医療費自体が高いし」
このことは深刻な社会問題の一つになっている、保険制度も他の国に比べてかなり遅れている。その為身体を壊しても病院に行かず余計に悪くなる人が多いのだ。
「それでね」
「生きものについてもってなってるから」
「問題ね」
「このことは何とかしていかないとね」
「声をあげてね」
「この子だけの問題じゃないわね」
カレンはノストランドを見ながら述べた。
「このことは」
「本当にそうね」
同僚もその通りだと頷いた。
「問題があれば声をあげる」
「市民としてね」
「そうしていきましょう」
「捨てられる猫を少しでも減らす為にもね」
カレンはここでノストランドの頭を撫でた、すると彼は喉をぐるぐると鳴らした、二人はそんな彼を見て微笑んだが彼の様な猫を少しでも減らしていこうと決意した。その為その微笑みには固いものがあった。
ブルックリンの猫 完
2021・3・21
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