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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
☆いけない少女と夢で再会する話
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はきっと私に会いたいだろうから会いに来たのよ!!決して私が舞さんを恋しくなったわけじゃないんだから!!」

ぽかぽかと叩いてくるアビー。
うん。大人になって相手してあげよう。
アビーは今僕のご主人様らしいから、ここは合わせて遊んであげよう。
せっかくの再会なんだ。
うんと遊んで楽しまないと。

「えーと…申し訳ありませんお嬢様。僕の御無礼、お許しくださいませ。」
「あ、謝ればいいのよ!」

スカートの両裾を持ち、お辞儀をしてみせる。

「それじゃあ舞さん。お食事の時間よ?」
「お食事…?」

いつの間にか懐に入っていた懐中時計を見てみると時計は12時を指していた。
つまりはお昼。ランチのお時間だ。

「そうですね。ではアビゲイルお嬢様。お昼ご飯にしましょっか。」


?

いつの間にか中庭に移動し、アビーは豪華な飾りのついた椅子に座っている。
目の前のテーブルに広がるのはパンケーキ、色とりどりのケーキとカラフルなお菓子達。
これじゃまるでおやつじゃないかと言いそうになるが、ご主人様がお昼ご飯と言えばお昼ご飯なんだろう。
そこがまた、子供らしいなと思うんだけどね

「ほら、舞さんも座って。」
「え、いいんですか?」

アビーの傍に立っていた僕は向かい側の椅子に座るよう命令される。

「私と一緒に食べるの!ほら!ご主人様命令よ!」
「で、ではお言葉に甘えて…。」

向かい側に行き、椅子を引いて座る。
目の前にいるのは、にこにことした笑顔のアビーだ。

「はい、いただきます。」
「いただきます…。」

バターを乗せ、蜂蜜のかかったパンケーキをカットして美味しそうに頬張るアビー。
思わず見てるこっちも幸せになりそうだ。

「…どうしたの?」
「あ、いえ…お嬢様の食べてる姿を見て、なんだか癒されるなぁって。」
「…子供みたいってこと?」

ここは、首を横に振っておく。

「もう!いつまでも見てないで舞さんも食べて!」
「あ、あぁ。はい…。」

大好物のモンブランよ!と言われ僕の前にモンブランの乗ったお皿が置かれる。

「すごく…高級そうで…僕が食べていいんですか?」
「食べていいんですか?じゃないの。ご主人様命令よ!食べなさい!」
「…。」

切り取り、フォークを刺して口に運ぶ。
まったりとしたクリームの甘さと栗の仄かな甘みが口いっぱいに広がってとっても幸せな気持ちになる。
あれ…なんだろう…
身体がふわふわして…
それで何か…奥が熱くて…気分もなんだか興奮して…。

「…!」

そこで僕は気付いた。
泥酔にも似たような感覚に陥りながら、僕は目の前の少女の表情に

「…。」

ギザギザの歯を覗かせながら、悪戯心に満ちた悪意
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