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レーヴァティン
第百九十五話 東国攻めその十

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「打ち首にしてだ」
「魂を消す」
「そうして完全に処刑する」
「そうしますね」
「そうする、だからそれも許さない」
 略奪と同じだけというのだ。
「いいな」
「そのことも肝に銘じておきます」
「そして兵達にも命じます」
「乱暴はするな」
「そしてその中でも」
「どうしてもそうしたことはしたくなるものだ」
 生理的欲求としてだ、英雄は肯定した。
「我慢してどうにかなるか」
「ならないですね」
「それはどうしても」
「誰でもそうした欲はあり」
「ある程度は辛抱出来ても」
「僧達でもだ、この浮島の僧は妻帯出来るが」
 それでもというのだ。
「俺の起きた世界では昔は違ってな」
「妻帯は出来なかったのでしたね」
「前に言われていましたね」
「仏門の者は女に触れられない」
「そうであったと」
「そういうことになっていた」
 浄土真宗以外はそうだった、ただし幡随院長兵衛が実は僧の子だったという説がある様に実はそこは表向きだった。
「だがそれでも女が駄目ならな」
「はい、衆道です」
「そちらになります」
「やはり欲は完全に消せず」
「どうしても」
「完全に断つなぞそれこそだ」
 色欲、それをというのだ。
「それこそ切るしかない」
「あの部分を」
「それしかないですね」
「去勢するしかないですね」
「本気でそうしたいなら」
「そうだ、食うこと飲むこと寝ることとこのことはだ」
 そうした欲求と共にというのだ。
「どうしても断てない、だからな」
「上様もですね」
「軍勢の中での付き合いはよしとされ」
「おなごの兵も多く入れ」
「そして娼婦も連れていますね」
「そうしている、そのうえでだ」
 軍の中でそうしたことを整えてというのだ。
「醜い行いがない様にしている」
「ただ厳しく取り締まり言うのではなく」
「させることはさせる」
「そうさせていますね」
「また言うが食ったり寝たりすることと同じだ」
 色のことはというのだ。
「どうしてもだ」
「断てぬ」
「そうしたものであるので」
「あえて中でさせて」
「外には向かわない様にしますね」
「そうしている、たらふく食わせていることもな」
 常にそうさせていることもというのだ。
「同じだ、食わねばな」
「はい、餓えてです」
「民から食いものを奪う様になります」
「そうして食います」
「その様になります」
「それをさせない為にもな」
 満腹にさせて常に力があり戦える様にしておくのと共にというのだ。
「飯は食わせている」
「常にたらふく」
「そうさせていますね」
「満足に戦える様にし」
「そして乱取りもさせない」
「その為に」
「そうしている、満足していればだ」
 食欲も性欲もというのだ。
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