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生きる気力を取り戻し
第一章

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                生きる気力を取り戻し
 アメリカノースカロライナ州に住んでいるララミー=ジーンは以前は看護士をしていた、だが脳腫瘍になってしまい。
 仕事を辞めて年金等で暮らす様になった、脳腫瘍で六度も手術をしてだった。親しい友人に自宅で沈んだ顔で言った。
「もうすっかり嫌になったわ」
「やっぱり辛いわよね」
「一度でも死にたくなったわ」
 青灰色の目を俯かせて言った、金髪はかなり白くなっていて短い。脳腫瘍の手術の跡であることは明らかだ。身体もすっかり痩せている。
「それが六度もだから」
「やっぱり」
「ええ、辛くて」
「死にたいのね」
「自殺はしないけれど」
 それでもというのだ。
「生きたくはね」
「なくなったのね」
「六度も手術してその都度辛い思いして。身体も苦しくて」
 手術その後のリハビリもというのだ。
「もうこれ以上ね」
「生きていたくないのね」
「早く天国に行きたいわ」
 六度の手術の結果ララミーはすっかり塞ぎ込んでしまった、生きることすら嫌になっていた。だがそんな彼女に。
 ある日友人はこう話した。
「猫を飼ってみない?」
「猫?」
「そう、保護された子猫だけれど」
 友人はスマートフォンの画像を見せた、そこには。
 黒が多く顔の真ん中が茶で顔の下と腹それに足首が白い子猫がいた、友人はララミーのその子猫の画像を見せて話した。
「どうかしら」
「猫、ね」
「かなり辛い状況で長くないとも思われたけれど」 
 それでもというのだ。
「この子頑張って今まで生きてるの」
「その子と一緒に暮らすのね」
「どうかしら。私としては貴女に生きていて欲しいの」
「そうなの」
「友達としてはね」
 そう思う、思わないでいられないというのだ。
「だからね」
「頑張って生きている子と暮らして」
「貴女も生きてくれるかしら」
「生きる気力ね」
「そう、それを取り戻してくれるかしら」
「そうね」
 実はララミーもだ。
 生きる気力を失っているがこれはよくないと思っていた、それで友人に答えた。
「そうしてみるわ」
「じゃあこの子お家に連れて来るわね」
「ここね」
「そうするわね」
「ええ、お願いするわ」
 もう一度生きる気力を取り戻したい、そう決意してだった。
 ララミーは友人の勧めを受け入れてその子猫を家に迎え入れた、猫は雄で名前はケシャとした。
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