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幻の月は空に輝く
学び舎の章――アカデミー入学・1
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無く言い切ってみる。ちょっと早口だったかもしれないけど仕方ない。照れくさいし、恥ずかしいからね。

「……うん」
 そんな私の言葉に、素直にコクン、と頷くカカシ。素直なカカシは未だに慣れないけど、ミルクとかをあげて病弱に見えた私の子育てに参加してたカカシは、私に対してはこんな風になる事が多い。
 親馬鹿二号…。まぁ…嬉しいんだけどね。


 カシュウさんに殺されそうだなぁ、なんて呟いているんだけどさ。それって結構洒落にならなんじゃないかなぁ。
 パッと見は仲の良い親子。手を繋いで歩いちゃってるしね。
 そして父さんの策略にはまって性別は勘違いしてるけど、父さんにとってみたら娘に寄り付く害虫だからね。
 こうなったのって父さんが自慢しまくって、一緒に子育てした結果だと思うんだけど。
 ちなみに父さんは職業柄顔が広い。カカシとか、イタチとか、その他の上忍中忍たちからもね。その人たち全員に親馬鹿を発揮しつつ、その人たちが来る度に私を抱っこさせたり面倒を見させたりしてたから、結果私の顔も広くなっていったという…。
 ひょっとして、家の外に行動範囲を広げるって事は、昔のイメージが抜けない親馬鹿二号なカカシみたいなパターンが増えるのかなぁ。
 まぁ…大丈夫だよね。割と皆常識的だったと思うし。




「うんうん。健康的な手になったよねー」
 本当に嬉しそうに言うカカシ。
「…寝たきりじゃないから」
 最近じゃ食べる量も増えてきたしね。
「カシュウさんと手合わせしてる所を見ると、ランはもう特別上忍でいいんじゃないかなーって思うけど、ランは下忍からやるんだよね??」
 突然のカカシの言葉に、少しだけど頬が引き攣った。
 というか、一体何を言い出すんだか。
 まだ下忍にもなってないんだけど…。

「俺にそんな実力はないし、これからアカデミーに通い出す所」
「うーん。勿体無いと思うんだけどなぁ」

 本気で首を傾げるカカシに、私は迷わずに頷く。
 だってさ。ナルトやテンからはもっと強くならないとナルトと修行出来ないって言われたし。アカデミーに毛が生えた程度の実力で特別上忍とかはホント有り得ない。それにまだ怖いしね。色々と。



 カカシと手を繋いで歩いてたんだけど思いの外近かったらしく、あっという間にアカデミーが見えてきた。カカシが容赦なく走ったからだろうね。自宅は里の外れのはずなのに。
 流石に同じぐらいの子供たちの姿がちらほらと見え出した所で、カカシから手を離して一人でさっさと歩き出してみるんだけど、空気をまったく読む気のないカカシが私の後ろをぴったりと付いてくる。

「……カカシさん」

「諦めた方がいーぞ」

 あの胡散臭い笑みで言い切るカカシ。うん。これは本当に引く気のない表情だ。

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