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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第285話「“可能性”が示すのは」
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を使わせるだけでも、お前の“領域”は消耗させられる。確実に僕の“領域”も侵食出来るだろうが……どこまで消耗するかな?」

「っ……ここまで読んでいたのですか……!」

「いいや、“可能性”を信じただけだ。僕自身の、皆の、そしてイリス、お前自身の“可能性”を」

 だからこそ、ユウキは捨て身の覚悟で“固有領域”を展開した。
 倒せなくとも、確実にイリスを消耗させられる手段として。

「ならば……!」

「(そう。そうなればお前は結果的に消耗が少ない手段を取る。僕でも同じ事をするだろう。……それでいい)」

   ―――“純粋なりし深淵の闇(ミソロギア・トゥ・スコタディ)

 ユウキの“固有領域”を侵食するように“闇”がイリスから広がっていく。
 これがイリスの“固有領域”。
 何もかもを“闇”で塗り潰す、“闇の性質”らしい“領域”だ。

「……これで、切り札を潰せる」

「ッ―――!?」

 直後呟かれたユウキの言葉に、イリスは戦慄する。
 この状況下でさらに誘導された。その事実に動揺していた。

「さぁ、根競べだ。イリス。……後に繋げるため、その“領域”を削らせてもらう!」

「この……!ユウキ・デュナミスゥゥゥゥ!!」

 飽くまでも自分で勝とうとしない。
 その上で誘導された。
 その二つの事実に、イリスは激昂する。
 二人共、その場からは動かない。
 お互いの“固有領域”から攻撃が放たれ、お互いに“領域”を削っていく。

「ッ……!」

「後に繋げる?馬鹿な事を!託す相手とは、共にいた人間達でしょう!?そんな人間達に、私が倒せると本気で思っているのですか!?」

「ああ。思っているとも……!人の“可能性”はそれこそ無限にある……!」

「愚かな……!貴方は、そんな愚かな考えをする()ではなかった!」

「いいや、前回お前と戦った時とそんな変わらないさ……!まぁ、より信じるようにはなったけどな……!」

 “闇”と“可能性”が何度もぶつかり合う。
 その度に、ユウキの“領域”が侵食されていく。
 だが、同時にイリスの“領域”も確かに消耗していた。

「私は!貴方の可能性(輝き)が見たかった!だというのに、貴方は私に勝とうとするのを諦め、あの人間達に託すというのですか!?」

「っ……そうだ。僕はそう信じた。あいつらも、僕を信じてくれた!……それだけで、託すには十分な理由さ……!」

「十分なものですか!!」

 一際大きな爆発が二人の間で起きる。
 ユウキの体が仰け反り、それでも何とか踏ん張る。
 互いに両手を突き出し、自らの“領域”を支え続ける。

「あり得ない。理解出来ません!なぜ、なぜそれだけで……!」

「本当に
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