最終章:無限の可能性
第285話「“可能性”が示すのは」
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質”ではないにも関わらずに、だ。それもこれも、全て僕を倒すためだろう?」
「ええ。ええ。そうですよ。その通りですよ。この力を以って、貴方のその可能性が見たかったのです。……その上で叩き潰そうと―――」
「いや、それだけ聞ければ十分だ」
イリスの言葉を遮り、ユウキは戦闘を再開した。
否、切り札を切った。
「我が領域をここに。生命の持つ“無限の可能性”をここに示そう」
「ッ、させ―――!」
「遅い」
―――“無限の可能性”
“闇”をユウキの“固有領域”が塗り潰す。
鏡面の如き水面がどこまでも続き、あらゆる情景を映す水玉が至る所に浮かぶ。
まさに無数の“可能性”を内包した世界が、そこにはあった。
「時に、イリス」
「……なんでしょう?」
「お前は、分霊のお前が言った事に、納得できたか?」
「――――――」
ユウキの言葉に、イリスは一瞬言葉を失った。
答えられなかったから、突拍子もない問いだったから、などではない。
「認められる訳、ないでしょう……ッ!」
認められないから、認めたくないからこそ、一瞬言葉を詰まらせたのだ。
「……そうか」
「ッッ!!」
裏を返せば、理解は出来ている。
その事をユウキは読み取り、イリスはそんなユウキに“闇”をぶつける。
「頑なに認めないのなら、それもいいだろう」
―――“デュナミス・エクソルキィゾ”
「だからこそ、お前は敗北する」
「ッッ……!」
“可能性”が形となり、“闇”を打ち消す。
あらゆる“可能性”を内包するユウキの固有領域だからこその技だ。
“可能性”を形にし、常に相手の有利な相性で戦う。
今回のも、“闇を祓う可能性”を手繰り寄せたのだ。
「僕一人で勝つのは確かに諦めている。だが、その過程は別だ。……お前の“領域”、せいぜい削らせてもらうぞ」
「っ……“領域”を展開する事で、有利に立ったつもりですか……!ですが、こうなればエラトマの箱で―――」
「有利のつもりはないな。だが、対等だ」
「(―――見抜かれている……!?)」
エラトマの箱は、神の“領域”ですら侵食する凶悪なモノだ。
だが、如何に実力のある神にしか作れないとはいえ、代償がない訳ではない。
相手の“領域”を侵食する程の代物なため、作り出すのに自らの“領域”を削る。
だからこそ、イリスや他の悪神はエラトマの箱をばら撒く真似はしなかったのだ。
それだけで、自身がどんどん消耗するがために。
「エラトマの箱
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