最終章:無限の可能性
第285話「“可能性”が示すのは」
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フェイントであろうと、そうでなかろうと、タイミングを合わせて“闇”を放つ。
全方位に放たれた“闇”は、ユウキがどこに現れようと襲い掛かる。
結果、ユウキはその“闇”を対処せざるを得なくなり、攻撃が潰された。
「そこです!」
「(意趣返しか!なら……!)」
放出された“闇”を凌ぎきった所へ極光が迫る。
その時点で、ユウキも反撃の閃光を繰り出しており、先ほどと真逆の立場になる。
「っづ……!」
相殺直後を狙い、四方八方から極光が迫る。
避けるための隙間もほとんどなく、ユウキは掠りながら極光の包囲を抜ける。
「はぁっ!!」
そこをイリスも狙ってくる。
故にこそ、反撃のチャンスだとユウキは圧縮した理力を繰り出した。
「っ……!?」
「ぐ、ぅ……はは……!」
それは相殺のための一撃ではない。
イリスが追撃に放った極光とその一撃はすれ違い、お互いに命中した。
直撃はしなかったが、イリスは左肩を貫かれ、左腕が千切れかけていた。
対し、ユウキは左半身を丸ごと持っていかれていた。
「肉を切らせて骨を断つ……でしたか。ですが、それだけでは勝てませんよ」
「……わかっているさ」
本来ならば、イリスにはもっとダメージを与えなければいけない。
しかし、明らかにユウキの方がダメージを蓄積させている。
肉体の傷は再生できても、“領域”は消耗し続けている。
「………」
だからこそ、イリスは訝しむ。
ユウキはそれをわかった上で戦い続けている。
まるで、逆転するためではなく、次に託すためかのように。
「どうした?」
「……なるほど。どうやら貴方は既に諦めているようですね」
「へぇ……それはまたどうしてそう思う?」
イリスの言葉に、一旦戦闘が止む。
ユウキもなぜそう思ったのか問い返す。
「貴方は最早、自分で勝とうとしていない。どれほど不利であろうと、どれほど逆境であろうと!貴方はあの時諦めなかった!だというのに、今はその様子がない。“可能性の性質”ともあろう貴方が、自分が勝つ“可能性”を諦めているからですよ」
「……まぁ、あながち外れじゃないな」
そう。ユウキは確かに自分だけで勝つ事はほぼ諦めていた。
神界の神としての格が違い過ぎるからだ。
それに、ユウキは神の力を取り戻したとはいえ、全盛期にはまだ遠い。
優奈と一つになってようやく一縷の“可能性”が生まれるのだ。
「お前は思った以上に成長していた。そういった“性
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