暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga22-H最終侵攻〜Battle of the north. another side 2〜
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分身体も口が利けることに少し驚きながらも、彼女の繰り出してきた右拳直打を、鋼体の構えの1つで肘で相手の拳を受ける「牙山!」で迎撃。相手の打撃の威力をそのまま返すため、普通であれば何かしらの反応を示すのですが痛覚が無いのか、即座に右拳廻打を繰り出してきました。肘を曲げた左腕で防御して、そのまま左槌打をキュンナさんの右肩に打ち下ろし、同時に右拳廻打を左わき腹に打ち込む。

「覇王流・・・!」

そこから跳躍左脚膝打でキュンナさんの下あごを真下から打ち上げて、最後に左拳指伸槌打へと繋げる技、「落陽!」を右肩へと打ち下ろした。ガクッと膝を折ったキュンナさんは私の腰へとしがみ付き、「少し付き合ってもらいますよ!」と、私を押し倒してきました。

(ジークさんのタックルや押さえ込みに比べれば・・・!)

しがみ付きから逃れるために攻撃を加えようとした時、「きゃああああ!」とヴィヴィオさんの悲鳴が聞こえたのでそちらに目を向ければ、ヴィヴィオさんは3人のキュンナさんに襲われていました。ヴィヴィオさんから墜とすのだと判り、背筋が凍る。

「次はあなたですよ、アインハルト!」

「キュンナさん!!」

分身体の頭や腕や背中を殴り、なんとか引き剥がそうとしますが、痛覚が無いということで全くと言っていいほどに通用していません。早くヴィヴィオさんを助けに行かなければ、ヴィヴィオさんは・・・。

「そこまでです、キュンナ」

――砲煙弾雨――

空から降ってきたのは、虹色に輝く魔力弾8発。それらはヴィヴィオさんを襲っていたキュンナさんと分身体を狙っていて、キュンナさん達は一斉に攻撃を中断してヴィヴィオさんから距離を取りました。

「グレゴール。あなたもだ」

――覇王断空拳――

「ぐおおおおおおおおおお!」

側に墜落してきたのはグレゴール。狼の巨体が地面に大きなクレーターを生み出しました。私にしがみついていた分身体やイクスさんと交戦していた分身体も消失したことで、「ヴィヴィオさん!」の元へと駆け寄ります。

「ヴィヴィオさん、大丈夫ですか!?」

「あ、はい、なんとか」

「すぐに治癒魔法を!」

――癒しの風――

「ありがとう、イクス」

イクスさんの発動した魔法はヴィヴィオさんだけでなく私にも効果が及びました。暖かな光に包まれていると、「ヴィヴィオ、イクス、アインハルト!」とフォルセティさんが駆け寄って来てくれました。そんな彼の背後にはフードを目深に被った外套の男性が居たのですが、外套の隙間から覗くその服装に私は目を見張った。

「時間切れだ。これ以上の戦闘は認められない」

「ごめんなさい。わたし達の仕事も終わったので」

次いで空から降りてきた女性の顔もまたフードで隠れて
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