暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第71話:戦闘で説得
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れただけ増えるのかよ。面倒くせぇ」
「放っておいたら際限ないって訳か……その内ここから溢れ出すぞッ!?」
「だからって無暗に攻撃したら逆に増えちまう。クソッ!?」

 このノイズの特性に装者達は頭を悩ませた。攻撃しない訳にはいかないが、迂闊に攻撃しては数を増やしてしまう。

 しかもそこに更なる面倒が舞い込んだ。

『皆さん、聞こえますかッ!』
「緒川さん、何でしょう?」

 突然の慎次からの通信。奏は嫌な予感を感じたが、それは的中した。

『会場のすぐ外には、避難したばかりの観客達が居ますッ! そのノイズをここから出す訳には――――!』
「観客ッ!?」

 あれだけの数の観客だ。完全に会場から遠くに移動させるには時間が掛かるのも当然である。

 つまりこれで、このノイズ達が自然消滅するまで放置するという選択肢は消えた訳だ。

 攻撃することは出来ず、かと言って放置も出来ない。万策尽きたかと思われたその時、響が呟いた。

「絶唱……、絶唱ですッ!」
「あのコンビネーションは未完成なんだぞ!?」

 周りは難色を示すが、響の顔は確信と自信に満ちていた。

 それは颯人も同様だった。

「増える前に全部纏めて吹っ飛ばすってのは、確かに理に適ってる。時間も無い以上、他に手は無いか」
「颯人、本気で言ってるのか!? 失敗したらお前だってどうなるか分からないんだぞ!?」
「他に手があるなら聞くぜ?」

 他の者はともかく、奏は絶唱の負担を颯人に肩代わりしてもらっている。このコンビネーションが失敗すれば、颯人は2年前のライブの時と同様大きなダメージを受けること間違いない。だから奏としては出来れば避けたいところではあった。

 が、颯人の言う通り他に策はない。現状取れる最善がこれしかないのならば、やるしかないのである。
 現にあのノイズは今も尚増殖を繰り返している。このままでは本当に会場の外に溢れ出てしまう。

 その前に何とかしなければ。

「俺が時間を稼ぐ。その間に決めてくれ!」

 颯人が4人に近付こうとするノイズを、増殖される事も厭わず片っ端から撃ち抜いていく。

 その間に4人は手を繋ぎ、眼前のノイズの大本を見据えた。

「行きますッ! S2CA・クアッドバーストッ!」

『Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl――』

 4人の戦姫が心を合わせ、観客の居ないライブ会場で唄を響かせる。

 重なった唄は一つに集約し、一つの大きな力となる。

 その要となるのは、響だ。彼女一人に絶唱のエネルギーが集まっていく。
 勿論それは簡単な事ではない。現に元も負担が掛かる響の
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