第五話 蛇
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リエンは地上へと引き摺り下ろしたガブラスの頭部を、何の躊躇もなく、踏み砕いた。片手剣使いが、片手剣を一切使わずにモンスターを討伐する。ベラーナ村では中々見られない戦い方だ。
「ラスト、ドルフ!」
ここまでで、計九匹。残る一匹はドルフの頭上にいた。装填を終えたユニがボウガンを構え、虚しく鳴き喚くガブラスの翼膜を、三度、撃ち抜いた。
翼に大きな風穴が開いたガブラスは、抵抗虚しく落下し始めた。それを正面に捉え、ドルフは剣を振り上げる。
「やー、初っ端からガブラスの群れなんて、攻めてくるね」
「そうだな」
戦闘を終え、一息つく四人。ガブラスは屍肉や腐肉を好んで食すため、その肉は食用には向かないが、皮はファッション用として定評があり、持ち帰ればそれなりの価格になる。が、ここはまだ塔の入口付近。帰りならばいざ知らず、これから塔を上るのに身を重くするのは得策ではない。
泣く泣く、剥ぎ取りはせずにそのまま先へ進むことを決めたドルフ達。先行きに少しばかりの不安を覚えながら、彼らは再び、古びた塔内部を進み始めたのであった。
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