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モンスターハンター 隻腕のドルフ
第五話 蛇
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ことのあるハンターが、口を揃えて『警戒しろ』と忠告する小型モンスターがいる。主として火山や沼地、暗所地帯に多く生息し、細長い体と大きな翼を持って飛行する小型モンスター。小型モンスターの中では比較的大型な部類で、個体によっては大型モンスターに迫る程の体躯を持つものもいる。

 別名、『翼蛇竜』。近接武器が届かないほどの高度から毒を吐きかけ、その鋭い尻尾で鎧をも貫く、厄介なモンスター。


 奴らの特徴は、尻尾を震わせて鳴らす不快な耳鳴り音。少しでもその音が聞こえれば、ハンターは足を止め、奴らの襲撃を警戒せねばならない。大きな群れに襲撃されれば、たとえ大型のモンスターを狩れるような腕利きのハンターであっても、決して油断のできない相手。



「避けろ!」



 ドルフはユニに抱きつき、そのまま前方へ跳んだ。直後、先程までユニがいた辺りの場所に、上空から液体が飛来した。

 飛来した液体は石床に着弾すると、ぶくぶくと泡を立てながら、着弾した面の石床を溶かしてしまった。

「ガブラスの群れだ、構えろ!」

 ガブラス。奴らは、そう呼ばれている。

 ドルフは立ち上がってすぐに大剣を構え、ユニを守るように、ガブラスの群れの前に立ちはだかった。

「ラッセル、毒は防ぎすぎるな。盾が溶ける」
「クソッ、こいつら嫌いなんだがな……」

 同じく片手剣を構えながら忠告するリエンと、文句を言いながら大盾を構えたラッセル。空を飛びながら毒液を吐くガブラスは、多くのハンターに嫌われている。

 十匹の群れ。大きな音に敏感なガブラスは、ドルフがバサルモス戦でも使った、音爆弾を使えば墜落させることができる。しかし、頂上にいるモンスターがどのような敵であるか分からない以上、物資は極力温存しておきたかった。

「リエン、ユニの援護に回れ。いざとなったら、俺が音爆弾で奴らを墜とす。が、できれば温存しておきたい」
「ああ、分かってる」

 片手剣では飛行するガブラスに届かない。リエンはユニの援護に回り、彼女をガブラスの尻尾や、奇襲をかけてくる別のモンスターから守ることに専念した方が良いと判断した。

「ユニ、強力な弾は温存しろ。動きを止めれば、俺達でとどめを刺す」
「了解!」

 立ち上がって体勢を整えたユニが、ボウガンを構えた。粗悪で安価、狩場で調達できるような素材で作られた弾薬を、慣れた手付きで装填していく。

 装填が終わり、ハンドルを引いて弾丸を込める。そして、銃口を上空に向け、スコープを覗き込んだ。

「ターゲット、ドルフ正面三匹!」
「任せろ」

 立て続けに三度、爆発音のような銃声が鳴り響いた。放たれた銃弾は全てガブラスの翼膜に命中し、三匹のガブラスの体勢を崩して、少しだけ高度を落とした。
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