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レーヴァティン
第百九十五話 東国攻めその三

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「関東を幕府に組み入れることもする」
「そうされますね」
「あの地全体をですね」
「完全に幕府に入れますね」
「その様にされますね」
「そうもする、だから時はかかる」 
 関東全体を手中に収めてからの政はというのだ。
「そして確かに豊かにし幕府に入れてな」
「それからですね」
「奥羽そして蝦夷ですね」
「そちらに兵を進めますね」
「そうする」
 その様にするというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「では奥羽には今は手を出さない」
「それも一切」
「暫く先も」
「密偵を送ってだ」
 そのうえでというのだ。
「調べはするが」
「それまでですね」
「兵は送らない」
「また降る様に促す使者もですね」
「送ることはしない」
 そちらもというのだ。
「それは絶対だ」
「わかりました、ではです」
「奥羽と蝦夷には密偵を送りましょう」
「そして徹底的に調べましょう」
「それだけに留めましょう」
「その様にな」
 幕臣達にこう言ってだった、英雄は彼等に留守を任せて自身は大軍を率いてそのうえで大坂を発った。
 そうして江戸城に入ってだった、彼は仲間達に言った。
「では今からな」
「関東攻めでござるな」
 智が応えた。
「それに入るでござるな」
「そうする」
 こう答えた。
「いよいよな」
「そうでござるな」
「越後から上野に入り」
 英雄は軍の進路の話もした。
「駿河から伊豆、相模でだ」
「そしてこの武蔵からは」
「下総に向かい」
 そしてというのだ。
「相模にもな」
「向かうでござるな」
「下総からだ」
 さらにとだ、英雄はさらに話した。
「上総に向かう、そして水軍を使いな」
「安房もですな」
「攻めてだ」
 この国もというのだ。
「領土にする、そして武蔵から上野もな」
「攻めるでござるな」
「だからこの武蔵には二十万以上の兵を置いた」
 言うまでもなく幕府の軍勢の主力である、英雄は関東で領土にしたこの国にあえてそれだけの大群を入れたのだ。
「相模、下総、そして上野とな」
「攻める為に」
「そうした、ではだ」
「これよりでござるな」
「関東を攻めていく、俺は相模に向かう」
 この国にというのだ。
「そして小田原城を攻める」
「そうするな」
 耕平が応えた。
「自分は」
「やはりあの巨城はな」
「真っ先に攻め落としたいんやな」
「秀吉公はじっくりと攻めたが」
 囲みそのうえで敵に心理戦を仕掛けた、あえてこちらに余裕を見せて惑わし厭戦気分を引き起こさせたりしたのだ。
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