131 それぞれの気持ち
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った雷の石を思い出す。
(俺は、あんなのなくたって別にいいんだよ・・・!!元の日常が戻ったって大野の転校が取り消しになるわけじゃねえんだ!!)
杉山は少し泣いていた。
大野は自分の持つ草の石と嘗て杉山が持っていた雷の石を持って眺めていた。
(杉山・・・。俺だって本当はお前とずっと一緒にいたかったよ・・・。でも、お前は俺なんかいなくたって大将なんだろ・・・?)
大野はこの二つの石が本当に自分と杉山が親友であった事の証になるのだろうか?大野にはまだ分からなかった。
奈美子の車によって静岡駅まで送って貰ったりえ達は彼女に礼をしていた。
「どうもありがとうございます」
「ええ、次は異世界でお会いしましょう」
「異世界・・・、ええ、そうですね」
りえ達は思い出した。このおばさんは嘗て異世界から貰った護符の所有者で会った事、そしてその護符は今、娘に引き継いでいるという事を。
「さようなら」
りえ達は新幹線のりばの改札を通った。そして東京行きの列車に乗る。
(かよちゃん、皆、今度は異世界で会おうね・・・)
そしてりえは杉山の事を思い出す。
(杉山君、来てくれるのかしら・・・?)
突き放された態度を取られながらもりえは夏休みの時から喧嘩しておきながら自分のピアノを応援してくれていた者の一人である杉山が異世界に来てくれる事を願った。車窓に富士山が見える。
(あの富士山、いつ見ても綺麗ね・・・)
りえはまた皆と会える日を楽しみにするのであった。今度は異世界で。
かよ子は三河口と会っていた。
「りえちゃんは杉山君を『臆病者』呼ばわりしていた事を心の中で反省していたよ」
「そうだったんだ・・・」
かよ子は同じ共闘する「仲間」であるとともに「恋敵」でもある女子の本心を知ったような気がした。
(りえちゃんは実際に現場を見ていないけど、あんな喧嘩しちゃ、ショックを受けちゃうはずだよね・・・)
そしてかよ子は好きな男子の事を考える。
(お願い、杉山君・・・。この戦いが終わってからでもいいから、大野君と仲直りして・・・。できれば大野君が転校する前に。それで、大野君が気持ちよく皆とお別れできるように・・・)
かよ子は二つの課題が己に課せられていると感じる。一つは赤軍や異世界の敵との大きな戦いを終わらせて、赤軍からこの国を守る事、そしてもう一つは杉山と大野を仲直りさせる事。それが課題だった。
「今度は杉山君を何とかさせないとな・・・」
三河口は呟いた。
「お兄ちゃん、杉山君の事は・・・」
「ああ、ほっといた方がいいのかもしれんな。でも、その前に異世界の戦いに行くのか行かないのか、覚悟を決めて貰わないと駄目だと思うよ」
「うん・・・」
「それじゃ、俺はこれで失礼するよ」
三河口はかよ子の部屋
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