第三話 招集
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残されたドルフは、どうしたものかと腕を組む。室内には空いているソファもあったが、見る限りでは四人のハンターはパーティ。その隣の席に座る図々しさを、彼は持ち合わせていなかった。
「役者が揃ったことだ。そろそろ始めようか」
バッゾが手を二度打ち鳴らし、そう告げた。ドルフはそのまま壁にもたれかかり、彼らの話を聞くことにした。
「まず初めに、招集に応じていただき感謝する。私はベラーナ村のギルドマスター、バッゾだ」
自己紹介は、あの四人のハンターに対してのものだろう。あのハンター達に見覚えはない。他の村なり街から、応援として来てもらった、といったところか。
四人のハンターの内訳は、男が三人、女が一人。重装備の男が一人で、軽装備の男が二人。女も同じく軽装備であった。そして、部屋の隅にはランスと片手剣、双剣にボウガンが一組ずつ置かれていた。恐らく、重装備の男はランス使い。前衛でモンスターの攻撃を受け止めるタンクとしての役割だろう。軽装備の三人は分からないが、男の片割れの腰に弾薬ホルダーが巻かれている。恐らく、その一人がボウガン使いだ。
気になるのは……そのボウガン使いが、戦いに出られるとは思えないほどの重傷を負っていることだ。片目を隠すように包帯を巻き、手は折れているのか胸の部分で固定されている。ボウガンを持てるとも思えない。
(……そういうことか)
ドルフは即座に理解した。本来、自分はここに呼ばれないハンターだったということを。
ギルドに所属するハンターの多くは、ハンター同士で協力し、パーティを結成する。この四人はそれだ。気の合う仲間だったのか、同郷の者なのか、それは分からないが、本来はこの四人に調査を依頼するつもりだったのだろう。
しかし、そのうちの一人が、依頼に出られないほどの重傷を負った。欠員が出たのだ。三人でも調査には出られるが、十年前の前例を考えると、フルパーティである四人で出向かせたいのがギルドの本音だろう。
故に、その空いた一枠にドルフが充てがわれた。ソロハンターとしてベラーナ村で活躍する、腕の良いハンター。もってこいだろう。
(……この際、過去のジンクスなんて気にせずに、大量に人員を投入すればいいものを)
静かに、心のうちで愚痴をこぼすドルフ。
調査は四人で行う。というよりも、ハンターが協力しあって結成するパーティの上限人数は四人なのだ。一つの依頼を受けられる最大の人数も、四人。それ以下になることはあるが、それ以上になることはまず、ない。
これは、『ハンターの祖』とも言われるあるハンターの影響によるものが大きい。そのハンターは、『古龍』と呼ばれる伝説上にしか現れないようなモンスターを討伐したことでも有名だが……そ
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