最終章:無限の可能性
第284話「集いし“意志”」
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奈が理力で防いでいた。
「大丈夫!それよりも、今のは……」
「イリスの仕業よ!これは、相当近いわね……それに……」
“闇”が迸り、それを優奈が理力の刃で弾く。
「まったく……イリスの奴、ここまで邪魔をさせたくないのね」
「これは……!?」
「この先で戦っているのよ。そして、イリスはその邪魔をさせたくないって訳」
歩を進めた先には、見渡す限りの“闇”が広がっていた。
先ほどの攻撃は、その“闇”から放たれたのだ。
「神界では戦う者同士の“意志”によって戦場が隔離されるわ。邪魔を入れたくない“意志”が強ければ強い程、他者は戦場に干渉できない。つまり……」
「迎撃してくる程、“意志”が強い訳か……」
「そういう事……ッ!」
再び“闇”が迸り、今度は散り散りになって避ける。
「構えなさい!イリスが実際に操っている訳じゃないけど、自動で私達を狙ってくるわ!避けるなり、防ぐなりして対処しなさい!」
「ッ!威力はそこまでか……!」
「速さも避けられる程度だ」
「飽くまで“邪魔されたくない”って“意志”が形になってるだけだね」
全快とまではいかないが、葵達も回復している。
そのため、各自で“闇”を対処する。
「攻撃自体はそうでも、実際突入するのは骨が折れるわよ」
「ふッ!!」
優奈がそういうと、帝が試しに気の一撃を飛ばす。
しかし、あっさりと“闇”の壁に阻まれた。
「……結構力を入れて、これか」
「言ったでしょう。全力で攻撃しても、単純な威力じゃ絶対突破出来ないわ」
「でも、同威力の“意志”なら?」
「試してみる?」
葵の言葉に優奈はそう返す。
そこで、神夜が“意志”の剣を叩きつけた。
圧縮した“意志”による一撃なだけあり、“闇”を切り裂く。
「なるほど、ね」
「それだけ邪魔されたくないのよ」
だが、切り裂いた部分はすぐに塞がってしまった。
タイミングさえ合えば、誰か一人は通れるだろう。
しかし、自動迎撃を避けつつでは少しばかり面倒だ。
「……多分、こういう事も含めて優輝は私を私のままにしておいたのね」
「……どういう事?」
ぼそりと呟いた優奈の言葉を、葵が拾う。
「ここに来てまで隠す必要はないわね。元々、私と優輝は一つの存在。私という存在を優輝に還元すれば優輝は本当の意味で全盛期を取り戻せるのよ」
「還元……って事は、優奈は―――」
「消えるわ。存在そのものがね」
「ッ―――!」
優奈が好きな帝にとって、それは認めがたかった。
思いのまま言葉を口にしようとして……
「でも、それをしなかった。だよね?」
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