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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga22-G最終侵攻〜Battle of the north. another side 1〜
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「ほう。小童と思いきや、フォルセティ、我の殺気をもろに受けて怯みもしないとはな。評価を改める必要がありそうだな」

試合で受けるのは気迫だから、ビリビリはするけど楽しくなっちゃうものだ。生まれて初めて受けた殺気は、当然だけど頭の中を恐怖だけにするものだった。流れ弾を受けたようなわたしでも怯んでどうすることも出来なかったのに、殺気を向けられたのはフォルセティは「そうだね。改めておいてよ。いつかは父さんを超える男ってさ」って軽口を叩けるほど余裕だ。

「はっはっは! 判っているぞ。勇ましいが、貴様のそれはそうプログラムされているからだろう? 聖王オリヴィエがクローン、プリンツェッスィン・ヴィヴィオを護るためだけに用意された騎士、プフェルトナー・フォルセティ! 聖王のゆりかごを止めるためにやって来た侵入者を迎撃するため、殺気などに耐性があって然るべき!」

そう言って大笑いするグレゴールにフォルセティは「違うよ。そんな耐性、刷り込まれてるわけないだろ」って言ってから、わたしの方をチラッと見た。そしてもう一度グレゴールの方を見て、2挺の“エマナティオ”のカートリッジをロード。

「ほう? では、我の殺意を受けても平気な理由はなんだ?」

「恥ずかしい話だけど、あんたの殺気に僕は怯えてるよ、ちゃんとね。だけどさ、それでも退けないんだよ。・・・そうプログラムされているからなんかじゃない! 僕の、僕が育んできた感情で立っているんだ!」

「フォルセティ・・・?」

「好きな女の子のためなら! その子が苦しんでいるなら! 僕はどんな困難にでも立ち向かう!」

頭の中が真っ白になった、思考がピタッと止まった。フォルセティは何を言ってくれたんだろう。そんな一瞬の思考停止の果て、フォルセティがわたしのことをハッキリと好きだって言ってくれたって理解して、「〜〜〜〜っ!!」顔どころか全身がカッと熱くなった。

「まあ♪」

「ふぉ、フォルセティさん、今それどころでは・・・!」

わたし達の後ろに居るイクスは嬉しそうな声を出して、隣に居るアインハルトさんは顔を赤くして狼狽えてる。でも、なんだろう、今のわたしなら、教会騎士団で一時はゼンゼ・パラディンにまでなったキュンナさんや、覇王クラウスを討ったグレゴールと戦っても勝ちそうな気がする。

「フォルセティ! わたしも大好き!」

ハイになってる今だからこそって考えて、すぐに告白返しをした。さらに顔が熱くなるのを自覚してると、フォルセティは「うん、知ってる!」って、満面の笑みを浮かべた。
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