暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga22-G最終侵攻〜Battle of the north. another side 1〜
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ようにするためのものだと思う。コロナとリオ、オットー達が外に弾かれて、僕とヴィヴィオとイクスとアインハルトさんだけが閉じ込められた」
「なるほど。古代ベルカに関係している私たちが捕らわれたのですから・・・」
「結界を張ったのはキュンナとグレゴールと融合騎である、と」
「じゃあ、わたしの所為なんだね。ごめんなさい」
特に狙われてるのは聖王オリヴィエのクローンのわたしだから、状況的にフォルセティ達は巻き込まれた形になっちゃうわけで。だから申し訳なくて謝ったら、「いいえ。悪いのは向こうです」って、イクスがわたしの両頬に手を添えて頭を優しく上げてくれた。
「元は私も狙われていた身。いえ今なお狙われているんでしょう。だからヴィヴィオだけの責任ではないですし、いつまで経ってもベルカは、レーベンヴェルトが滅んだという現実を受け入れられない彼女たちが悪いんです」
「そうですよ、ヴィヴィオさん。ですからそんな悲しい顔をしないでください」
「うん、うん。いい加減ヴィヴィオを窮屈な思いから解放したいし、僕たちで打ち負かそう。そうすればキュンナ達も思い知るよ。ヴィヴィオを狙ったところで自分たちの望みは叶わないって・・・くそ、ダメか、結界外と繋がらない。通信妨害もされてるみたいだ」
フォルセティが悔し気に唸った後、「目上の人には敬称を付けるものだと思いますが?」って、拡声魔法を使ってるのか大きな声でそう言われた。みんなで辺りを警戒してると、「上!」とアインハルトさんが声を上げました。フォルセティがわたし達を庇うように前に躍り出て、両手に持つ拳銃型デバイス・“エマナティオ”の銃口を空へと向けた。
「すぐに撃たないのは賢明ね、八神フォルセティ」
「わーっはっはっは! 小生意気なルシリオンが死んだと思えば、同じ顔をしたフォルセティがまた我らの前に立ちはだかりおる。が、しかし・・・。魔力も気迫もまったく足りておらん。消え失せよ、八神フォルセティ!」
「っ!!」
「「ぅ・・・!!?」」
頭がツルツルとした大きな男性、騎士グレゴールがフォルセティを見下ろす。睨まれてるのはフォルセティなのに、まるでわたしが襲われて、その大きな手で頭を握り潰されたかのような幻視を見た。はっ、はっ、はっと呼吸が荒く、そして早くなる。騎士グレゴールから目が離せない。体も強張って動かせない。
「ヴィヴィオ、アインハルト! 気をしっかり持ってください! 大丈夫です、あなた達なら!」
≪Confront bravely≫
「「っ!」」
バシッと背中を思いっきりイクスに叩かれて、茜色の魔力がわたしとアインハルトさんを包み込んだ。色もそうだけど、優しい暖かさに包まれてる感じがして、恐怖でいっぱいになっていた心と体が楽になった。
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