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ドリトル先生と不思議な蛸
第三幕その十

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「二段構えになるね」
「ああ、そこまでしたらね」
「もう灰にしかならないから」
「如何にヒトデの生命力が凄くてもね」
「流石に死ぬね」
「そうなるわね」
「だからオニヒトデもね」
 このヒトデもというのです。
「そうすべきだよ」
「駆除する時は」
「まずは毒に注意して捕まえて」
「それで丘の上で乾燥させて」
「そのうえで焼く」
「そうしたら完璧だね」
「そうだよ」 
 先生は皆にお話しました、そして。
 ふと近くにクラゲを見て微笑んで言いました。
「ここはクラゲもいるね」
「あっ、ミズクラゲ」
「ふわふわと泳いでるね」
「クラゲは何処の海でもいるわね」
「鳥羽の海でもね」
「全てのクラゲに刺胞があるから迂闊に触れないけれど」
 実際に先生も見ているだけです。
「見ていて何処か癒されるね」
「ふわふわしていてね」
「それだけでそうなるわね」
「クラゲはね」
「そうだね、電気クラゲでもないし」
 このクラゲのお話もしました。
「いいよ」
「電気クラゲは危ないからね」
「もう刺されたら大変だから」
「それでだね」
「注意が必要だけれど」
「こうしたクラゲはね」
 特にというのです。
「警戒とまではいかないよ」
「注意位だね」
「見ているだけでいいわね」
「刺胞も長くないし」
「これといってね」
「そうだよ、この辺りは電気クラゲもいないね」 
 その危険なクラゲ達もというのです。
「大丈夫だよ」
「特にカツオノエボシね」
「カツオノエボシがいたらね」
「あのクラゲは特に毒が強いから」
「気をつけないと」
「僕はあのクラゲも見たことがあるけれど」
 そのカツオノエボシもです。
「やっぱり迂闊に近付いたら」
「大変ね」
「その時は」
「だから気を付ける」
「絶対に近寄らないことね」
「クラゲは動き自体は遅いから」
 今皆で見ているミズクラゲもです、ただ海の中をゆらゆらと漂っているだけに見えます。そうした感じです。
「自分から近寄らないと」
「見付けたら」
「その時はだね」
「すぐに離れて近寄らない」
「それでいいね」
「そうだよ、それで済むから」
 カツオノエボシでもです。
「自分では近寄らない」
「それでいいね」
「クラゲについては」
「見付けたら近寄らない」
「それだけでいいね」
「そう、何処でも危険な場所には近寄らない」
 そして危険な生きものにはです。
「それが一番だよ」
「そうだよね」
「君子危うきに近寄らずって言うけれど」
「まさにその通りだね」
「最初から近寄らない」
「それが一番だね」
「そう、毒のある生きものも怖い生きものも」
 どれでもというのです。
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