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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
プロローグ
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ている黒いスーツ姿の紫紺の短髪の端正な男の人。オーストラリア政府IS関連の第一人者兼私の候補生管理官。名前はアーノルド・スミスさん。
 
 そうこうしている内に飛行機が完全に停止する。
 シートベルトを外して席を立とうとすると、なぜか足が動きませんでした。

「あれ?」
 
 どうしたんだろう?

「あー、離陸してからずっと足を動かさなかったでしょう。そのせいで筋肉が硬直しているんですよ。荷物などはこちらで運んでおきますので動けるようになったら出口までおいでください」

「あ、わざわざすみません」

「いえいえ、今時分はあなたの様な女性のほうが珍しいですよ。では」 

 そう言いながらスミスさんは出て行った。手で足を伸ばしつつ少し椅子を倒す。

「ん……」

 あの人の言っていた通りみたい。感覚のなかった足が痺れてきている。
 いくら緊張していたとはいえ恥ずかしいところ見せちゃったなあ。
 こういう時は政府専用機っていうのも他の人に見られなくていいかも……

 先ほどあの人が言った言葉を思い出す。

 ISは本にも書いてあったとおり、何故か『女性にしか反応しない』。
 そして現行、世界最強の兵器はそのIS。つまり世界のパワーバランスはISの保有数とそれをより高い技術で操れる担い手、すなわち女性の数で決まってしまいます。
 となれば必然的に女尊男卑が当たり前になってしまう。かつては女性に人権を認めず、あらゆる弾圧に屈しなかった宗教国家でさえ、宗教の根本から覆されるほど。
 かつての男性優位の国家はISを保有していない国ぐらいでしょう。

 そしてそうなれば必然的に横行な女性も増える。自分の周りにはあまりいなかったが、それでも街のマーケットでは奴隷のように男性を使う女性を見かけたこともある。
 必要とされているのはISを使える人であって一般の女性ではない。

 関わっているから言えることですが、本来ISなど無い方がいいと思う。
 ISはどこまで追求しても『兵器』だからだ。開発者の意思では宇宙進出用なのかもしれないけれど、『白騎士事件」によってその芽は完全に断たれたといっても過言ではありません。『兵器』とは敵となった目標を殺傷、破壊するために使う道具。つまりは人殺しの道具。
 今はスポーツみたいに扱われていますが、使い方を間違えればそれは簡単に人を殺傷する道具になりえます。

 最も懸念されているのは第三次世界大戦……いや、『第一次IS大戦』。これはISが登場した10年前から頻繁に話題になっています。

 ならば本来こんなものは全世界的に排除して元に戻したほうがいい、というのが私の考えです。
 でも作られたもの、更に言えば便利であるものを人は捨てることは出来ません。
 さらに言えば、
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