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水の国の王は転生者
第六十九話 自由の国
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になりますし、早くても二、三ヶ月は掛かるかと思います」

「分かった。出来たらアルゴルキン砦のマクシミリアン宛まで届けて置いてくれ……それじゃ出ようか」

「ありがとうございました。又のお越しをお待ちしております……ん? マクシミリアン?」

 マクシミリアンは代金を払って、マダム・ド・ブランを出た。もちろん、支払った代金はポケットマネーだ。
 マクシミリアン達が出て行った後、店員が大騒ぎするのは別の話。

 ……

「殿下、荷物は私が全部持ちます」

 店を出ると、アニエスが荷物を全て持つと言い出した。

「別にいいよ、そんなに重いものじゃないし」

「しかし、殿下に物持ちをさせるわけには行きません」

「アニエス姉さん。持つのなら私も持つわ」

 今度は、ティファニアが自分が持つと話に入ってきた。

「いやいや、ティファニアはまだ小さいから」

「私、子供だけど、物ぐらい持てるもん!」

「ティファニア様は王族の出ですので、ここは私が持つのか、当たり障りが無いと思います」

「あ〜、お前ら。埒が明かないから、全員で持とう」

 マクシミリアンの発案で荷物は全員が分担で持つ事になった。

 ティファニアとアニエスの二人は買った服を着たままで市内をぶらついた。
 途中、道の正面から八メイル程の熊が二頭で大木を担いで歩いていた。

「マクシィ兄さん。あの人達(?)は何をしているの?」

「マクシム川の近くに製材所があるから、あの大木を持っていって金に換えて貰うんだろう」

「へ〜、マクシィ兄さん物知り」

「これ位はな。さ、二人とも道を開けよう」

 邪魔にならないように三人は道を開けた。

『ありがとうな』

「いやいや、お仕事ご苦労です」

 お互い挨拶し合うと、熊二頭はマクシミリアンの予想通り、製材所の方向へと消えていった。

「これから、いかがいたしましょう」

「砦に帰るには、少し早いかな。近くにカフェが出来たから、そこで時間を潰そう」

「はい、マクシィ兄さん」

 三人は、小奇麗なオープンカフェに入り、野外のテラス席に座った。

「いらっしゃいませ」

「何を頼みましょう」

「この店は、ショコラとケーキで良いと思うよ」

「ショコラ?」

「新世界で見つかった、『カカオ豆』という豆を加工した飲み物だよ」

 ここでのショコラ(チョコレート)は、現代の地球で市販されている固形物ではなく飲み物だ。
 ハルケギニアでは、紅茶に変わる新しい嗜好品として、上流階級の婦女子に絶大な人気を博していた。
 精霊の力で最低限の数は供給は出来ていたが、入荷すれば数時間で完売する程の絶大な人気だった。
 その為。ハルケギニ
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