第一章
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お茶漬け女子
北条かなは少しだけ釣り目な感じの大きなアーモンド型の奥二重の長い睫毛の目を持っている。眉は薄めだがしっかりした一直線のものだ。鼻の形はよく唇は赤でいつも笑っている感じだ。色白の卵型の顔で黒髪を長く伸ばしウェーブをかけている。背は一六〇位で胸が大きい。
好物はお茶漬けで毎朝食べている、今日も高校に行く前に食べているが。
母はその彼女にこう言った。
「あんた毎朝お茶漬けね」
「ええ、あっさりと食べてね」
かなは梅としそを冷えたご飯の上に乗せてお茶をかけたそれを食べつつ母に応えた。
「一日をはじめないとね」
「駄目なのね」
「一日一回お茶漬けを食べないと」
それこそというのだ。
「私は調子出ないのよ」
「小学校の時からよね」
「だから朝はね」
絶対にとだ、黒のブレザーとグレーのミニスカートそして青のネクタイと薄いピンクの制服姿で言うのだった。
「こうしてね」
「毎朝なのね」
「お茶漬けなの」
「他のおかずも作るのに」
「いいのよ、朝はお茶漬けがあったら」
それでというのだ。
「私はね」
「それで満足なのね」
「そうなの」
こう母に言うのだった。
「パンがあってもね」
「お茶漬けなのね」
「私はね、そしてお昼も夜も食べられたら」
その時はというのだ。
「お茶漬けでしょ」
「ええ、兎に角あんたはお茶漬けね」
「こんなすぐに食べられて美味しいものないでしょ」
「それはそうだけれど」
それでもとだ、母は娘に言った。名前はまなといってかなは彼女に生き写しだった。その生き写しの顔を呆れさせている。
「お茶漬けって女の子が好きなものかしら」
「クレープもオレンジもケーキも好きよ」
「女の子が好きなものもよね」
「けれど一番はね」
何といってもというのだ。
「お茶漬けよ」
「そこが女の子らしくないわね」
「まあ好き嫌いはね」
仕方ないと言ってだった。
かなはお茶漬けを一杯食べてから登校した、兎に角彼女はお茶漬けが好きで毎日それも朝は必ず食べていた。そんな中で。
かなは修学旅行に行くことになった、ここで母は娘に言った。
「京都に行くけれど」
「お土産期待していてね」
「それはいいけれど」
それでもというのだ。
「お父さんも言ってたけれど」
「どうしたの?」
「京都でしょ」
そこに行くかだというのだ。
「京都もお茶漬け有名でしょ」
「ええ、だからね」
かなは当然といった顔で応えた。
「そのお店にもね」
「行くのね」
「お茶漬けの専門店にね」
「高いけれどいいの?」
母は娘に眉を曇らせて問うた。
「そのお店は。京都だしね」
「京都のお店は高いのよね」
「あそこで美味しいもの食べよ
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