第一章
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お金は大事
小西あず未は性格はかなりいい、兎に角人格者で周りから常に愛され慕われている。
背は一五五程で色白で少しふっくらとした頬に蒲鉾型の二重の目に黒くしっかりした眉と微笑んだ口元だ。黒髪はさらさらで伸ばしている。
面倒見がよく温厚でしかも公平だ。クラスでも部活のテニス部でも同級生達からも後輩達からも人気である。
それは男子生徒達からも同じだ、本当に人気者である。
だが彼女について誰もがこうも言った。
「性格美人で」
「文字通りに」
「優しくて穏やかで」
「いい娘だけれど」
「誰にもそうした態度で」
「それでもね」
あず未のことを言うのだった。
「それでもね」
「ことお金のことはね」
「しっかりしてるのよね」
「貸してくれるけれど」
それでもというのだ。
「期日決めてね」
「何円貸したか記録していて」
「それまでに絶対に返してねって言うのよね」
「返してくれないなら貸さないって言って」
「誓約書も出すし」
「挙句に拇印でっていうから」
指紋のそれを押せというのだ。
「ことお金のことはね」
「しっかりしてるっていうか」
「しっかりし過ぎ?」
「もうこれ以上ない位にね」
「そうよね」
「自分が使う部分も」
彼女自身のこともというのだ。
「いつも何を買ったか書いていて」
「そうそう、家計簿出してね」
自分専用のそれをだ。
「何円使ったか」
「それで何時かも」
「もう細かくだからね」
「まだ高校生なのに」
「お金に厳しいわね」
「もう家庭の主婦みたい」
「流石に借金取りにはなっていないけれど」
そこまでこだわってはいないがというのだ。
「それでもね」
「あの娘凄いわよね」
「ことお金のことは」
「誰よりもね」
こう話すのだった、そして実際に。
あず未はお金のことはかなりシビアで厳しかった、貸すことについても自分で使うことについてもだった。
こと細かでもあった、兎に角そうして使っていた。そのうえで学校帰りにいつも学校の近くのコンビニでアルバイトもしたが。
店長にだ、あず未は店の中でこんなことを言われた。
「あず未ちゃんうちではもの買わないね」
「コンビニではですね」
「うん、そうだよね」
こうあず未に言うのだった。
「やっぱり」
「それはあれです」
「あれって言うと?」
「コンビニの商品は高いですよね」
このことを微笑んで話した。
「そうですよね」
「それはね」
店長はあず未の言葉にバツが悪い顔になって答えた。
「否定出来ないね」
「スーパーと比べますと」
「同じ商品でもね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「私はです」
「コンビニで働いていてもなん
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