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銀河日記
迷い
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に、不敗の魔術師が同盟に現れる事。難攻不落を誇った要塞が陥落し、同盟が攻め込んでくる事。今玉座にいる皇帝が何時かヴァルハラへと登り、帝国を二分する内乱が起きる事等々・・・。
この世界は彼の知る小説の世界なのだと、それを知ったのは三、四歳の頃であったか。最初、彼はこの小説を知らなかった。偶々職場の同僚が進めてきて、騙されたと思って読んでみると、嵌ったのである。だが彼は全てを知るわけではない。最後までは読んでいないのだから。知り得るのは黄金の獅子たる皇帝の誕生までであるのだから。それはどうあれ、この先どう生きるかは彼次第だ。

彼は悩んでいる。自分には同じくらいの年齢の親戚が二人程いるという。だが、まだ一度もあった事はない。どんな奴かも分からない。一人は男で、一人は女だそうだ。男は母方。女は父方である。
将来、女の方と結婚させられるのかもしれないな。そんな突拍子もない事を頭に浮かべるが、何処か否定できない何かがあった。それはアルブレヒト本人にも分からない。ただ彼は、自分の将来を、進むべき道を決めかねていた。窓から見える星は、変わらずに瞬いていた。アルブレヒトには、星達の煌きがまるで自分を手招きしているように見えた。

不思議なこともあるものだ、と彼は微笑んで、瞼を閉じた。また、一日が過ぎてゆく。



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