SAO編−白百合の刃−
SAO25-銀の妖精
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なだけ食べていいよ」
「うん、お父様」
スズナの表情はあまり変わらないが、自分のペースでどんどんタマゴサンドとフルーツサンドを口にしていた。
「参ったわね……」
そしてスズナが気づかないところでドウセツは手をおでこに当てて、ため息をついていた。こりゃ、ドウセツにとってはかなりの天敵が現れたね。
●
子供だから女の子だからと言って、そんなに食べないかと思えば、誰よりも多く食べていたのはスズナだった。育ち盛りの子供は性別関係なく、たくさん食べるのだろうかと小学生時代の私をちょっと思い出してみた。
…………うん。思い返せば、いろいろと反省するべきことが多かった。一旦保留にしよう。
「ん……」
食事を終えると、スズナは眠そうで何度もコクッと頷く。まぶたが閉じようとすれば、大きく開けての繰り返しだった。
「眠い?」
「……うん」
「ならベッドで寝ましょう。歩ける?」
「うん」
ドウセツがスズナを誘導させて二階へ連れて行き、その数秒後にドウセツは戻ってきて椅子に座った。
「お疲れさま、お母さん」
「貴女に言われると、セクハラしか思えないんだけど」
「それは言い過ぎじゃないか?」
「だって、貴女が私のことをお母さんって呼ぶことは、屈辱に近い言葉を浴びさせられているのよ」
「いや、流石にそれは被害妄想を通り越しての理不尽だよ」
スズナの前ではお母さんに見えたのに、今の視界に映るドウセツはお母さんという美しくて暖かい聖母な姿などではなく、悪魔を通りこした魔王に見えたのは私のちょっとした幻覚だと信じたいものだ。いや、まだ幻覚の方がマシかもしれない。
それは置いといて、だ。今の課題はスズナのことを、これからどうするのかを決めないといけない。
私達はスズナの親子ではない。数時間前までは、ただの他人だった関係だ。
「これからどうする?」
「決まっているじゃない」
ドウセツは紅茶が入ったマグカップを口につけ、淡々と口にした。
「スズナを本当の両親に送ること。それしかないわ」
スズナをどうするべきかなんて、もうドウセツは決断していた。私も両親に送るべきだと思った。でも、それに対して素直に頷けなかった。
それはスズナの面倒をもっと見たいとか、スズナの記憶を取り戻すまでは親として接したいわけではなく、スズナの正体に疑問を持っていたことが決めることができない問題であった。
カーソルが表示されないプレイヤー、記憶喪失になった少女、そもそもなんで家の前で倒れていたのか、両親がいたのなら、どうして別れてしまったのか、そして別れた原因はいったいなんなのかと、いろいろと謎だらけだ。
それで一つの可能性が浮かんだ。
でも、それは両親が見つけてからじっくりと考
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