SAO編−白百合の刃−
SAO25-銀の妖精
[5/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
うに、スズナが起きてもカーソル表示されないことを口にした。
それを表すこと、それはスズナが常識から外れていることになってしまう。可能性をあげているのも、私の常識では考えられないことでもあるし、カーソルが表示されない少女を見たり、話したりするのは初めてのことだから、実際は調べないと何もわからない。
「ん?」
急に袖が引っ張られる。振り返ったら、ミルクを飲み干したスズナちゃんが私のスカートを引っ張っていた。
「どうしたの?」
ドウセツがスズナちゃんと同じ目線に合わせるため、しゃがんで優しく語りかけた。
「あ、あのね……」
言葉が途切れて黙ってしまう。と言うよりかは何を言っていいのか躊躇っている様子であった。私もスズナちゃんと同じ目線に揃えて、話しかけた。
「スズナちゃん。まずは言ってみないと始まらないよ?」
まずはそこから始めることをスズナに伝える。すると、スズナちゃんはその言葉で決意したのか安心したのか、頷いて言葉を続ける。
「あのね……」
でも、それはあまりにも……。
「キリカ、ドウセツのこと……お母さんと、お父さんって……呼んでいい?」
衝撃過ぎて、後ろに飛び跳ねてしまうくらいに驚いてしまいそうだった。隣のドウセツも衝撃すぎて思考が止まったと思う……はず。そう思ってチラっと、ドウセツに視線を移すと、普段見られない引きつった笑みをしていた。それに思わず私は二度見してしまう。だって見たことない顔してたもん。
結論で言えば、流石に私もドウセツも戸惑いの顔を隠せなかった。
そこで私とドウセツは、作戦会議という名のコソコソ話をすることにした。
「ど、ドウセツ、こんな時は……」
「し、知らないわよ。な、なんとかしなさい、あんたこういうの得意でしょ」
「い、いやぁ……現実でこんなこと言われたことないから……ど、どうすればいいのか、わからないです」
「私も拒むくらいしかわからないわよ」
「でも、ドウセツも拒んだら駄目って感じているんだよね?」
「そうね……」
私とドウセツは恐る恐るゆっくりとスズナちゃんの様子を伺う。
「だめ……?」
スズナちゃんは不安そうに私達を見つめていた。間違いなくスズナちゃんは自分の発言に罪悪感を持っており、そして毒舌なドウセツも流石にストレートに断る選択をすることができなかった。
「…………なんで、スズナはそう呼びたいのかしら?」
ドウセツはなんとか冷静になり、優しく語りかけた。
「えっと…………わからないけど、わたしが……呼んでみたいだけなの……」
「…………そう」
ドウセツはこれ以上スズナに訊ねなかった。
スズナちゃんが私達のことを親として見るだけではなく、親としての称を呼ぶの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ