暁 〜小説投稿サイト〜
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SAO編−白百合の刃−
SAO25-銀の妖精
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うに、スズナが起きてもカーソル表示されないことを口にした。
 それを表すこと、それはスズナが常識から外れていることになってしまう。可能性をあげているのも、私の常識では考えられないことでもあるし、カーソルが表示されない少女を見たり、話したりするのは初めてのことだから、実際は調べないと何もわからない。

「ん?」

 急に袖が引っ張られる。振り返ったら、ミルクを飲み干したスズナちゃんが私のスカートを引っ張っていた。

「どうしたの?」

 ドウセツがスズナちゃんと同じ目線に合わせるため、しゃがんで優しく語りかけた。

「あ、あのね……」

 言葉が途切れて黙ってしまう。と言うよりかは何を言っていいのか躊躇っている様子であった。私もスズナちゃんと同じ目線に揃えて、話しかけた。

「スズナちゃん。まずは言ってみないと始まらないよ?」

 まずはそこから始めることをスズナに伝える。すると、スズナちゃんはその言葉で決意したのか安心したのか、頷いて言葉を続ける。

「あのね……」

 でも、それはあまりにも……。

「キリカ、ドウセツのこと……お母さんと、お父さんって……呼んでいい?」

 衝撃過ぎて、後ろに飛び跳ねてしまうくらいに驚いてしまいそうだった。隣のドウセツも衝撃すぎて思考が止まったと思う……はず。そう思ってチラっと、ドウセツに視線を移すと、普段見られない引きつった笑みをしていた。それに思わず私は二度見してしまう。だって見たことない顔してたもん。
 結論で言えば、流石に私もドウセツも戸惑いの顔を隠せなかった。
 そこで私とドウセツは、作戦会議という名のコソコソ話をすることにした。

「ど、ドウセツ、こんな時は……」
「し、知らないわよ。な、なんとかしなさい、あんたこういうの得意でしょ」
「い、いやぁ……現実でこんなこと言われたことないから……ど、どうすればいいのか、わからないです」
「私も拒むくらいしかわからないわよ」
「でも、ドウセツも拒んだら駄目って感じているんだよね?」
「そうね……」

 私とドウセツは恐る恐るゆっくりとスズナちゃんの様子を伺う。

「だめ……?」

 スズナちゃんは不安そうに私達を見つめていた。間違いなくスズナちゃんは自分の発言に罪悪感を持っており、そして毒舌なドウセツも流石にストレートに断る選択をすることができなかった。

「…………なんで、スズナはそう呼びたいのかしら?」

 ドウセツはなんとか冷静になり、優しく語りかけた。

「えっと…………わからないけど、わたしが……呼んでみたいだけなの……」
「…………そう」

 ドウセツはこれ以上スズナに訊ねなかった。
 スズナちゃんが私達のことを親として見るだけではなく、親としての称を呼ぶの
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