最終章:無限の可能性
第282話「決定的な差」
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「ふーっ、ふーっ……!」
互いに体勢を立て直し、仕切り直しとばかりに対峙する。
「は、はは……!」
「くくく……!」
改めて向き直ると、二人は笑いを漏らす。
「「(―――愉しいッ!!)」」
それは、ギリギリの闘い故に。
自らが望んでいたモノ/憧れていたモノであるがために、興奮を隠しきれずにいた。
「「ッッ!!」」
理力が稲妻として迸り、同時に二人は拳をぶつけ合う。
先に帝が追撃を仕掛け、しかしその拳を逸らされる。
「がッ……!?」
直後、反撃の拳を顔面に食らう。
「ぐッ!?」
だが、負けじと帝は仰け反った反動で殴り返す。
それを皮切りに、拳と蹴りの応酬が始まる。
「どうしたァ!口元が笑っているぞ!」
「てめぇこそ、口角が上がってんぞ!!」
何度も拳と蹴りが体に当たり、二人はボロボロだ。
それでも、口元から血を流しながらも笑っていた。
「当然だ!愉しいからなぁッ!!」
「奇遇だな、俺もだぁッ!!」
まさに戦闘狂と言わんばかりに殴り合う。
衝撃波と血を撒き散らし、何度も殴り殴られる。
「俺が、俺たちが勝つ!!」
「出来るものならやってみろッ!!」
拳を受け止められ、また逆に受け止める。
蹴りが避けられ、こちらもまた避ける。
「ッ……さっきのお返しだ!!」
「ぐっ……!?」
体を反らし、紙一重で拳を避ける。
そしてその腕を掴み、体を蹴り飛ばす事で片腕を引き千切る。
「ははッ!!」
「ぐッ……!?」
再生と同時に神は腕を振るう。
再生時に発せられる純粋な理力が斬撃となって帝を襲った。
咄嗟に帝はガードをするが、防げたのは“斬られる”という事象だけだった。
威力そのものは防ぎきれず、打撃となって帝を撃ち貫いた。
ガードした場所を中心に、潰されたような衝撃が帝の体を駆け巡った。
「ッなくそッ!!」
「ぐぅッ……!?」
追撃の肉薄に対し、防御態勢から反撃に出る。
カウンターばりの至近距離における極光の直撃。
咄嗟の反撃なため、威力は出なかったがそれでもダメージは通った。
「ッらぁあああっ!!」
「おおおおおおおッ!!」
死闘は続く。どちらかの“意志”が挫けるまで。
それまで、二人は何度も拳と蹴りによる衝撃波を迸らせ続けた。
「シッ!」
「はぁッ!!」
一方、優奈達もあと一歩がなかなか踏み出せずにいた。
既に“死闘の性質”の“天使”は全滅させた。
だが、優奈と同じ“可能性の性質”の“天使”が残っているのだ。
その二人を
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