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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第17話 幻想ロボット対戦外伝 すごいよ! サグメさん1/3
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らない事があるのだった。
「ところで、話を率直に戻しましょう。地上に機械を送り込んで浄土化しようとしたのはその『ある者』の襲撃で今の状態になったからですよね? つまり、このまま私達を『ある者』の所まで行かせてはくれませんか?」
 その勇美の提案に、サグメの方も納得したように頷いている。
『それが賢明な判断でしょうね。獏に通行を許可されたあなた達ですから……』
「それじゃあ」
『そういう訳で、あなた達を試させてもらいますよ、準備はいいですか?』
「やっぱりそうなりますか〜……」
 展開的に戦わないでは済みそうになかったからねと、勇美は淡い期待が潰えた事に項垂れるのだった。
「勇美さん、先輩。頑張って下さいね」
「イシン、他人事だと思って〜」
「……って先輩?」
 どこ吹く風といった様子で言うイシンに対して、二人は各々にツッコミを入れる。
 だが、世の中とは他人に降り掛かっている災難はやがて自分にも来る機会が多いように出来ているようである。
『何言っているのですかイシン。あなたも戦いに参加するのですよ』
「ぇっ……」
 そのサグメの一言によりイシンは声を喉につっかえさせた妙な音を出してしまったのだ。そして勇美はその光景にデジャヴを感じてしまう。
 ──いつぞやの依姫さんと私のようだと勇美は想起するのだった。依姫とサグメは同じく永琳を師と仰ぐ身であるが故に、どこか思想が共通するものがあるのであろうか。
 ともあれ、奇しくもここに『元レイセン』をパートナーに持つ者同士の弾幕ごっこが始まるのだった。

◇ ◇ ◇

「う〜、私まで何で〜☆」
 理不尽な展開になってしまった事を呪いながらイシンは愚痴をこぼしていた。
『イシン、観念なさい。これはあなたの実地演習も兼ねているのですよ』
「はい……」
 そう言われてはイシンは腹を括るしかなかったのである。これも自分の成長の為、そう思って彼女は目の前の課題に挑もうとするのだった。
『ですが安心しなさい。あなたの能力がサポート向けである事は知っていますから、あなたはそれに徹すればいいのですよ』
「分かりました」
 サグメのそのような配慮ある物言いにイシンは安堵する。彼女はかつて豊姫と一緒に侵略の首謀者を迎え撃った際に、自分は前線で体を張る事は難しいと思い知らされた訳である。
 その気持ちが刺激となってイシンは今の能力に目覚める事が出来たので、彼女はその機会を作ってくれた豊姫に感謝しているのだった。
 だから、今こうして重要な役割をこなす事が出来るのだ。故に彼女はそれに応えなければならないだろう。
『そういう訳で私達の準備は万全です。そちらはどうですか?』
 そして、イシンの気持ちを固まらせたサグメは今度は勇美達へと呼び掛ける。
「はい、こちらも大丈夫です」
「え
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