第三章 リベン珠
第12話 THE LUST 1/4
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
育館程の広大なスペースを持つに至っていたのである。
「うわあ……」
その派手な変化に勇美は息を飲んでいた。さすがは夢、精神の世界なんだとただただ感心するしかなかったようだ。
「これで広さは十分でしょう。それでは始めましょうか?」
今しがたこの芸当をやってのけたドレミーは、してやったりといった振る舞いでのたまうのだった。
「はい、これで思う存分戦えます。ありがとうございます」
対して、勇美も戦いに適したフィールドを用意してもらってご満悦のようである。
鈴仙の方も準備万端といった様相である。それならば、もう誰もこの場に物を申す者はいないだろう。
「「「いざ!」」」
ここに三人の心は決まっていたのだった。
「まずは私から行きましょう。『聞いた話』によればあなた方は後手の方が得意との事ですからね」
「よく知っておいでですね。一体情報源は誰からですか?」
自分達にあからさまに有利になるような戦い方を提案された勇美であったが、彼女はそれに対して嫌な思いをせずにその情報の主が一体誰だかを聞く。
「おっと、それは秘密事項ですからお答えしかねますね」
だが、ドレミーから返って来た答えは当然そのようなものであったのだった。
対して、そのようなやり取りをする二人を尻目に、鈴仙はおおよその検討を付けていた。
(もしかして……あの人が……)
例の機械が送り込まれて来た事といい、その可能性は高いかも知れないと鈴仙は当たりを付けるのだった。
しかし、当面の問題はそのような推理ゲームではなく、目の前の獏に打ち勝つ事なのである。そう想いを馳せ、鈴仙は勇美に注意を促すのである。
「気をつけて勇美さん。相手は夢の世界の支配者の獏です。だから『あの者』でないとはいえ、油断は禁物ですよ」
「はい、分かっています」
その事実は鈴仙の立ち振る舞いから勇美は理解しているのだった。だから、彼女とてその警戒の気持ちに抜かりはなかったのである。
「準備はよろしいようですね、では行きますよ」
そう言って、ドレミーはそのネグリジェからはみ出た豊満な胸元からスペルカードを取り出したのだ。はっきり言って青少年に悪影響が出るだろう光景であった。勇美達は少女な訳ではあるが。
その光景に当然勇美は目が釘付けとなっていたのであるが、その間にもスペル発動はされていくのであった。
「まずは小手調べですね。【夢符「緋色の悪夢」】」
「いえドレミーさん、小手調べどころかメインディッシュでしたよ、ご馳走様でした♪」
「勇美さん、そういった煩悩を捨てて下さいって……」
戦いが始まったというのに集中しない勇美に対して、鈴仙は呆れながら注意を促した。
「……穢れていますね、あなたの頭の中は。でもそういうの、嫌いじゃないですよ」
そうやんわりと言ってのける
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ