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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
078話 記憶巡り編 とある視点で見る記憶 その5
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郎さんの腕の傷はほとんどすでに塞がっていた。

「本当にすごいですね。これもセイバーさんとの契約のおかげなんですか?」
「いえ。シロウのはちょっと特殊ね。セイバーが関係しているけど、それよりすごいものね」
「「「へー……」」」

まだネタバレは無し、か。
逆にありがたいけどね。
それから学園の結界の話になって先ほどの女性のサーヴァントを使役している人はかなり悪質だという感じであった。
結界が作動した暁には学園の人達は全員衰弱死するくらいだと凜さんが言う。
魔術師のプロがそう判断するんだから間違いないだろう。

それから一段落して突然でもないけど凜さんから休戦の話が出てきた。


キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!


士郎さんの弟子入りフラグだ!
なんでもお互いに謎のマスターに素性を知られてしまって、しかも悪質だから協力して対処に当たろうという話であった。
敵の敵は味方というわけではないけど当分は敵ではないという感じだね。

それから士郎さんは凜さんに今までどうしていたのかという感じで、過去の話をしていく。
凜さんは休戦協定中だけどそこまで話さなくていいというが、話を聞いていくうちに切嗣さんの士郎さんに対しての扱いがおかしいという。
そして魔術師の義務の話になって、許せないとまで言い切っていた。

最後に、

『あなたのお父さんは魔術師である以前に親を選んだのよ』

と言ってからバツが悪そうに士郎さんに謝っていた。
そして今後の話し合いは明日の屋上でしましょうという話になって、凜さんは信用でもしてもらいたいのだろう自身のサーヴァント・アーチャーを士郎さんの護衛に付けた。
凜さんとしてはいい選択だと思うけど、けどこの二人を一緒にさせてしまう方が少し心配でもあった。




帰り道に士郎さんはここまででいいと言うが、少しばかり敵意を感じ、

『ほう……虫も殺さない平和主義者だと思ったが、敵意は感じられるらしいな』
『やるって言うならやるぞ?俺は早くこのバカげた戦争を終わらせたいだけだ』

アーチャーはそれで肩を竦めながらも、

『誰も殺さず、犠牲にもせずにか……?』
『なにがおかしい?』
『いや、貴様の甘ったるさに意見なぞせんよ。だが、一つ聞きたい』
『なんだ?』
『ライダーとの戦いで令呪を使わなかったそうだな』

それから戦えるなどと血迷ったわけでもなかろうと言って、士郎さんはお前には関係ないというが、

『察しはつく。誰かが痛みを追うのなら自分だけで背負い込めばいいと言ったところか?虫唾が走る』

そして士郎さんの一方的な言い争いになる。
にしても、セイバーさんの代わりに俺が戦えばいいって……こんときの士郎さん、かなり命知らずだね。いや、マジで。

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