第二章
[8]前話
「そうなったんだ」
「そうかもな、それで名前はな」
「何ていうのかな」
「シエナっていうらしいけれどうちの猫になったからな」
それでとだ、兄は弟に話した。
「俺が新しい名前付けるな」
「そうするんだ」
「ああ、クロエにするな」
名前はすぐに出た。
「仕事仲間でいい奴がいるからな」
「その人の名前を拝借したんだ」
「そうだよ、日系人でいい大学出てな。今は現場で働いてるらしいがどんどん出世するらしいな」
「そうなんだね」
「そのクロエの名前を使わせてもらうな、お前もそれでいいな」
「ニャア」
猫も応えた、そしてだった。
シエナはクロエという名前になってテリー達の家族になった、彼に手かざしをしてそれが縁で家族となったが。
二人も二人の友人達も彼女の前に来るとだった。
クロエは右の前足を手かざしをする様にして出した、テリーは彼女のその仕草を見て弟に笑って話した。
「本当にすっかりな」
「センターでそうしていたからだね」
「人が来るといつもな」
「それでだね」
「癖になったな」
前足を出すそれがというのだ。
「完全に」
「そうだよね」
「それがいいな」
「新しい飼い主になって欲しくてそうしていたんだね」
「頼む為にな、けれどそれが癖になったならな」
テリーはそのクロエを見ながら弟に話した。
「愛嬌があるな」
「最初はどうでも」
「もうお婆さんだけれどな」
猫としてそうであってもというのだ。
「これからもずっとな」
「僕達と一緒だね」
「最近猫も二十年かもっと生きるんだ」
十三年どころかというのだ。
「だからな」
「これからもだね」
「一緒に暗そうな、クロエもそれでいいな」
「ニャア」
テリーが自分の前に来てそう言ってくるとだった、クロエは。
彼に前足を出した、それが挨拶の様に見えてだった。テリーは笑顔になった。アンディもそれを見て笑顔になって彼に言った。
「僕も一緒だからね」
「ニャア」
アンディも前に来ると彼にもそうした、それを見てアンディも笑顔になった。変わった癖を持った老猫はその癖で幸せを掴みそして新しい家族を笑顔にもした。
手かざしをする猫 完
2021・2・22
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