暁 〜小説投稿サイト〜
渦巻く滄海 紅き空 【下】
四十五 因縁の相手
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
を反転させた角都に益々眉を吊り上げた。




「逃がすかよ…ッ」

角都との戦闘に水を差され、苛立ちも込めて再不斬が振りかぶる。
その手にあるのは、己の得物。

凄まじい勢いで、投擲された首切り包丁。
鋭利で巨大な刃物が、飛段と角都、そしてフードの人物へ襲い掛かる。




「危ないな」

しかし次の瞬間、首切り包丁は弧を描いて、遥か遠くへ突き刺さった。
フードの人物が、飛来してきた首切り包丁をものともせず、弾き飛ばしたのだ。




あれほどの鋭利な刃物を容易に退けた当の本人は、フードの影の下で、チラリと再不斬を見る。
目配せを秘かに交わすと、フードの存在は角都と飛段を伴って、濃霧が立ち込める中、消え去ってゆく。

後には、遠方で突き刺さる首切り包丁と、そしてアスマの遺体だけが残された。

























「逃がしたか…」

立ち込める霧の中、再不斬の声がやけに大きく響き渡る。
アスマへ駆け寄って何もできないまま、『暁』を見送ることしか出来ぬ自分自身に歯噛みするシカマル・コテツ・イズモは、やがて見知った姿にハッと顔を上げた。




「よぉ」

突然、首筋に突き付けられたクナイを見て、再不斬は唇に弧を描く。
呑気に「元気だったか?」と問われ、クナイの持ち主もまた「おかげさまで」と軽く返事を返した。


中忍本試験前に自来也と対峙した際も、木ノ葉崩し以降に鬼鮫との戦闘を繰り広げた際も、結局どちらも会わなかった相手。
しかしながら、波の国以来でようやっと再会した双方は、お互いに不敵な笑みを湛えた。











「久しぶりだな────カカシ」
「やはり生きていたんだな、桃地再不斬」
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ