四十五 因縁の相手
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たように肩を竦める相手に対し、機嫌を損ねず、むしろ上機嫌で飛段は鎌をくるくるっと回した。
「邪神様ぁ!見ててくれよォ!俺、本気出すから!マジ本気でやっからよォ!!」
「はいはい」
おざなりに返事するフードの人物の隣で、飛段は鎌についた血を舐める。
その血は確か、アスマが先ほど飛段の鎌で斬りつけられた時に付着した血だ、とシカマルが察したその時、コテツとイズモが驚愕の声を漏らした。
「なんだ、アイツ…」
「身体が…」
白と黒の縞模様のような、或いは骸骨が浮き上がっているかのような。
妙な風体と化した飛段が高らかに笑う。
大鎌をアスマに突き付け、「既にてめぇは俺に呪われた!!」と勝ち誇ったように飛段は嗤った。
円陣の上にいる飛段目掛け、アスマがクナイを放つ。
そのクナイを、飛段は避けようともしない。
違和感を覚えるよりも前に、アスマがガクンっと崩れ落ちた。
飛段の左足にはクナイが突き刺さっている。
そこと同じ箇所を手で押さえているアスマに、シカマルは顔を顰めた。
「なんだ、いったい…」
「まさか、」
シカマルがハッとするのも束の間、飛段が「いってぇじゃねぇか!!」と、自分の足に突き刺さったクナイを抜き取る。
それをそのまま、今度は自分の脇腹目掛けて、突き刺した。
「ぐあ!?」
アスマが再び、苦悶の声をあげる。
脇腹を押さえて蹲る師へ、シカマルは険しい表情で「アスマ!!」と叫んだ。
「どういうことだ、シカマル!?」
「何故、アスマ隊長は奴と同じ場所を怪我してるんだ!?」
動揺するコテツとイズモの隣で、己の推測をシカマルが冷静に語る。
だがその額には冷や汗が流れ、焦燥感が明らかに募っていた。
「アスマと奴の身体は何等かの仕掛けで繋がっている。身体に受けたダメージも同じようにリンクする…ただし、アイツは────不死身の身体だ」
【呪術・死司憑血】────自らの血で地面に陣を描き、対象者の血を体内に取り込む事で、術者の体と対象者の体がリンクする。
以後、その陣の上で術者が受けた傷は対象者の体にも同様に現れる為、どこへ逃げようと術者が自分の身体を傷つければ、対象も同じように傷つく仕組みだ。
当然、術者である自身の身体も傷つき、痛みも感じるが、不死の体を持つ飛段には、そのようなもの、些細な事だ。
つまり、実質、不死身である飛段にしか使えない術である。
要するに、不死の飛段は死なないが、呪われた対象であるアスマの死は回避不可能という事だ。
「俺と邪神様の会話を邪魔するから、裁きが下ったんだぜ」
蹲るアスマを見下ろしながら、クナイを投げ捨てた飛段が吐き捨てる。
冷笑を口許に湛えた
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