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緋弾のアリア ―瑠璃神に愛されし武偵―
T La bambina da I'ARIA…
第013弾 魔術師の対峙
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「さてさて、本物の俺はどこでしょーか?」

 笑いながら、再度HK417から鉛玉が吐き出された。

「何人目で当てられるかな?」

 とか思ってるんだろうな。バカジュンの奴は。
 上等だ、その誘い乗ってやんよ!! 


「この、くたばれ!」

 銃弾の方向から位置を割り出し、逃げられないよう氷爆で吹き飛ばす。これで四人目、確実に潤の分身を減らしているけど──

「はっ! ──ぐっ……!」
「また一歩届かず、ですね。疲れてきたのでは?」
「言って、ろ!」

 天音の一撃を避け、攻撃──しようとしたところで、またも後方からの妨害射撃。集中も途切れてしまい、魔術は霧散してしまう。

「くそ、本当にうざったい……!」

 攻撃が命中する瞬間、魔力を集中させて放とうとした瞬間。確実に妨害の狙撃が入り、こちらの手を潰してくる。

 ここまで戦ってると、相手の目的も見えてきた。これは私を倒すというより……

「〈凪優、ペース落として! このままじゃ保たないよ!? 〉」
「(分かって──ああもう!)」

 大鎌による横凪の一撃を避けてすぐ、追撃の銃弾。瑠璃に言われたばかりだが、足に超能力を回して大きく跳躍し、距離を取る。ほぼ密着状態からでも正確に私だけを狙って技量は凄まじく、性質が悪い。

(ジャンヌの奴、どこが一流には程遠いだ!)

 内心でイ・ウーの同期兼弟子を罵倒しつつ、間合いを空けて呼吸を整える。今のところ状況は互角かやや有利だが、消耗を強いられている以上逆転は時間の問題だ。

「は、あ……」

 妨害のための狙撃によるストレス、心結びによる消耗、そして──

「──っ!?」
「『音』が効いてきましたね」

 天音が使っている大鎌から聞こえる、甲高い風のような音の不快感。これが、私の動きを鈍らせる。先程考えたけど、こいつらの狙いは消耗を強いること。だからこそ、短期決戦で決めたいのだが、

「この、ちまちまうざったい……!」

 何度目か分からなくなるくらい受けた狙撃での妨害。変わらず続く嫌らしい手口に、思わず苛立ちの声を上げつつ拳銃を構え──

「そうかい。じゃあ一気に決めようか」

 その声は、突如後ろから聞こえた。天音から距離を離していた私は、思わず振り返ってしまう。

「〈!? 嘘、気配は減ってない……最初から隠れて……!? 〉」

 瑠璃が感知したとおり、三歩ほど後ろで笑いながらUSPの銃口を向けている潤は、狙撃をしていたどれとも違うものだ。
 背後を取られるという致命的な状況──

(……ん?)

 だったが、ふと、彼の動きに違和感を抱く。

「じゃあさよな──ぷげらっ!?」

「は?」
「〈へ? 〉」
「──え?」


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