T La bambina da I'ARIA…
第013弾 魔術師の対峙
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「真正面から突っ込むけど……」
アキにそう告げると
「マジか……絶対に妨害されるだろ、それ」
ご尤もな指摘を受ける。
そんなの解っている。ここ数日明らかに私は誰かに監視されてるしな。
そいつらを誘き出す為の敢えてでもあるからだ。
「解ってるよ。だから予備プランも考えてあるわ。……つっても、これはどっちかって言ったら『潜入』にちかいかもね」
「詳細を教えろ」
「わかった。じゃあ―」
私とアキは作戦の詳細を詰めていった。
それから数日が経った今日はアリアがロンドンへ帰国する日。
この日が作戦の決行日でもある。
アリアは今日こそは来るかと思ったが、来なかった。
アリアもアリアでごたごたがあったっぽいが、それを私が知る由もない。
そのパートナーであるキンジ。
全ての真実を知ったキンジは「心、此処に在ラズ」的な状態だった。
ま、無理もないか。知ってしまったからな。アリアのこと。
だが、それは私が介入した所で解決できるもんじゃない。
これはキンジ自身が解決することだし……ね。
ちゃんと、仕事しろよ? パートナーなんだから。
そう思ってたら、キンジは理子からの呼び出しを喰らったようだ。
おそらくは……か。
もう推測でもなく断定できるわ。《《傍聴でな》》。
私は単身、愛車を走らせていた。目的地は無論、羽田空港である。
「いや、私も居るんだけど……」
助手席に座る花梨は不服な顔をしていた。
「どうしたのよ?」
「しらばっくれないで! サラッと私をハブらないでくださいますかねぇ?」
「あー。メンゴメンゴ」
「心が篭ってないっ!!」
そんな他愛の無い会話を交わしていたその時だった。
何者かによる狙撃をFT86の前輪に受ける。
着弾と同時に派手な爆発音と衝撃が発生し、車体を軽く浮かび上がらせる。
コレは……炸裂弾の改造モンか……。
お蔭様で前輪タイヤが吹き飛んで運転不能と来やがった。
「いたた……なんなの、もう。凪優、大丈夫?」
「つう……大丈夫、エアバッグ起動したから。ああもう、やってくれるよね遠山潤。干渉は消極的で最小限、って言ってた癖に」
花梨に安否を聞かれ、私は大丈夫、と答えてこの狙撃犯に悪態をついた。
「それは『緋色の研究』の継承者である神崎・H・アリアに対してであって、あなた達は範疇外です、っと」
「……ご丁寧に、刺客まで用意してるってわけ」
爆風で歪んだドアをこじ開けて脱出した私は、信号機から飛び降りてきた、白髪碧眼の女性を睨み付ける。予想内といえばそうだけど、ウザったい事この上ない。
「初めまして、水無瀬凪優さんと瑠璃神様。……ああ、研鑽派の『魔術師』
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