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レーヴァティン
第百九十二話 港を見てその九

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「次男は次男でな」
「大名にっちゃな」
「十万石以上でと言っているが」
「その十万石でっちゃか」
「取り立てる、幸い領土はある」
 与えられるそれがというのだ。
「だからな」
「受けるっちゃな」
「そうだ、ただ他にも茶器だのを求めてきているが」
「それはっちゃか」
「聞かない、何でも聞くとな」
「相手も舐めてかかるっちゃな」
「飲めるものでも飲まない」
 その要求はというのだ。
「何でも飲むとな」
「舐めてかかるっちゃ」
 愛実はまた言った。
「そしてこれからもっちゃ」
「何かと要求して来る」
「そうしてくる奴もいるっちゃ」
「そう考えるからな」
 だからだというのだ。
「茶器まではだ」
「受けないっちゃな」
「あちらは次男の取り立てまでは絶対と言っている感じだが」
 それでもというのだ。
「茶器はな」
「貰えればっちゃな」
「そんな感じだ、使者の話にそれが出ていた」
「それなら」
「茶器まではやらん」
 英雄の言葉は毅然としていた。
「次男の取り立てまでだ」
「そのうえで幕府に入れますね」 
 紅葉も言ってきた。
「そうしますね」
「そうだ、そして以後は幕臣としてな」
「従ってもらいますね」
「そのこともあるからな」
「要求は何でもですね」
「受け入れない、そして臣下の礼はだ」
 これはというのだ。
「取らせる」
「そうしますね」
「勝手はさせない」
「幕府の秩序を守る為にも」
「要求は飲んでもな」
「毅然としてですね」
「取らせる、絶対にな」
 こう言うのだった。
「そしてだ」
「そのうえで」
「武蔵を手に入れ」
「それからは」
「戦の時は江戸城に大軍を入れ」
 そしてというのだ。
「江戸を最大の拠点としてな」
「関東を攻めますね」
「そうする、水軍もだ」
「動かしますね」
「江戸湾に水軍を多く配し」 
 関東を本格的に攻める前にというのだ。
「そして湖からもだ」
「攻める様にしますか」
「関東をな、そしてだ」
「そのうえで」
「陸と湖からな」
 その双方からというのだ。
「関東を掌握する」
「それでは」
「江戸、そして武蔵はな」
 相手の条件でというのだ。
「それでだ」
「組み入れて」
 そしてというのだ。
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