暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第68話:奪われる物
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れた先でカリヴァイオリンを杖代わりに立ち上がる透。メデューサはそんな彼に、駄目押しの一撃を放った。

「お前には、これなんかが良いんじゃないか?」
〈イエス! キックストライク! アンダスタンドゥ?〉
「ッ!?」
〈バリアー、ナーウ〉

 放たれるは颯人や透がよく使うキックストライク。魔力を籠めて放たれる必殺の威力を持つ飛び蹴りに、透は回避は間に合わないと察し少しでも威力を軽減させようと障壁を展開。これを防ごうとする。

 だがやはり先程の一撃はかなり痛かった。踏ん張りが利かず、障壁に徐々に罅が入る。

 そして遂に、透の障壁が白旗を上げ砕け散るとメデューサの飛び蹴りが突き刺さる。
 その威力はやはり凄まじく、蹴り飛ばされた先に落下した透はそのまま変身が解除されボロボロの姿を晒す。

 これにはクリスも堪らず周囲への攻撃を止め透の元へと向かった。

「透ッ!?」

 傷だらけの透をクリスが抱き上げると、彼は弱々しくも笑みを浮かべた。口で大丈夫と言えない彼は、代わりに笑みを浮かべて強がったのだ。
 その姿が喉を切り裂かれた直後の彼と重なり、クリスの目に涙が浮かぶ。

「透……チクショウ、透――――!?」

 傷だらけになる彼をギュッと抱き締めるクリスの前で、メデューサは透が蹴り飛ばされた際に落とした指輪を拾い上げた。以前颯人がメデューサからくすねた、スペシャルウィザードリングだ。

「これは私の物だ。返してもらうぞ」
〈イエス! スペシャル! アンダスタンドゥ?〉
「はっ!?」

 拾い上げると同時にメデューサは石化光線を放てる魔法を発動した。その効果を知っているクリスは顔を青くし、クリスと透に危機が迫っている事に気付いた響も思わず声を上げた。

「クリスちゃん、透君! 逃げてッ!?」
「もう遅い!」

 メデューサの手から放たれた石化光線は、余波だけで近くの物を例外なく石に変える。当たれば最期、石にされ助からない死の閃光が2人に迫った。
 クリスは無駄と分かりつつ、透を少しでも守ろうと彼に覆い被さる。

「あぁっ!?」

 最悪の事態を想定し、響は思わず顔を背ける。

〈チェイン、ナーウ〉

 だが天は2人を見捨てなかった。メデューサの石化光線が2人を飲み込もうとした直前、2人の体に白い鎖が巻き付きその場から引き摺り動かした。結果、石化光線は2人が居た場所を素通りしその背後を石化させる。

「ッ!?」
「世話を焼かせる」
〈エクスプロージョン、ナーウ〉

 声のした方を見れば、ウィズがやれやれと言った感じで得意の爆破魔法を発動していた。発動と同時にメデューサの近くだけでなく、基地のあちこちのノイズやメイジに狙いを定めて魔法陣が展開される。迂闊に使えば無用な被害を
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