暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第68話:奪われる物
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分かってる!?」

 こうしている間にも、岩国基地にはノイズとメイジが襲い掛かり次々と軍人達を仕留めている。奴らにまともに対抗できるのは透とクリスに響、ウィズの4人だけ。今はウィズが何とか対抗してくれてはいるが、流石に数が多すぎて対処が間に合っていない。
 その状況に響が焦りを募らせていると、2人の背後からメイジに変身した透がソーサラーにカリヴァイオリンで斬りかかった。

「透ッ!」
「透君、大丈夫!」

 敵の魔法で吹き飛ばされた透が参戦してくれた事に、喜びつつも彼の体の心配をする2人。透はソーサラーとの戦闘を一旦中断すると、2人に向けて力強く頷き掛け再び攻撃を再開した。
 彼の様子にここは任せて大丈夫だと確信し、響とクリスは周囲のメイジとノイズの対処に向かった。

 離れて行く2人の後姿を横目で見つつ、透はソーサラーと対峙する。

 こうして構えているだけでも分かる。このソーサラーは強い。他のメイジとは一味も二味も違う。準幹部……いや幹部クラスの実力はあるかもしれない。
 こんな魔法使いは透の記憶になかった。恐らく彼が組織を離れている間に新しく参入したか、海外で活動していた魔法使いだろう。立ち位置的には傭兵や用心棒と言ったところだろうか。

 等と考えていると、ソーサラーが攻撃を仕掛けてきた。手にしたハルバードで透を切り裂かんと振り下ろしてくる。
 それを受け止めるのは悪手だと、透は防御ではなく回避を選択した。持ち前の素早さを活かして回避すると、ハルバードの攻撃の死角となる場所から斬りかかる。

 この2人、相性的には透の方が有利だった。ソーサラーの一撃は強力だろうし、マントによる防御も大したものだ。だが透はそれら攻撃と防御の隙間を縫って攻撃する術に長けている。ソーサラーは終始透のスピードに翻弄され、効果的な反撃が出来ずにいた。

 このままいけば軍配は自分の方に上がるだろう。透はそう思っていたが、その矢先に横合いから別の魔法が飛んできた。

〈イエス! バニッシュストライク! アンダスタンドゥ?〉
「ッ!?」

 飛んできた巨大な魔力球が、出し抜けに透を吹き飛ばす。突然の攻撃に透は回避も防御も間に合わず、その場から大きく吹き飛ばされてしまった。

「透ッ!?」

 透はクリスの直ぐ傍まで吹き飛ばされる。飛ばされてきた彼の姿にクリスは周囲への攻撃を止め、倒れた彼に手を貸して起き上がらせる。

「大丈夫か、透?」

 自分を心配してくれるクリスに、透は何とか頷き返すが状況は芳しくなかった。
 今の一撃を諸に喰らってしまったのは文字通り痛い。しかも尚悪い事に、今の魔法は彼の記憶が確かなら幹部クラスの魔法使いしか使えない魔法の筈だ。

 今ここで現れる幹部となると――――――

「フ
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