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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第68話:奪われる物
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電撃。咄嗟に魔法で防御するが、踏ん張りが足りなかったのと相手の魔法の威力が高かったので、透は障壁毎吹き飛ばされた。

「透ッ!?」
「チッ!?」

 クリスが透に気を取られている間に、ウィズは次の攻撃に備えてウェル博士の首筋から剣を離した。
 その瞬間、博士は懐からソロモンの杖を取り出すと周囲にノイズを召喚した。同時に無数のメイジが魔法で転移してきて、ノイズと共に米軍基地への攻撃を開始する。

「ジェネシスッ!? テメェ、あいつらとつるんでやがったのか!?」
「わたし達を騙してたんですかッ!?」
「騙すだなんてとんでもない。僕は事実を言いましたよ。これは必ず僕が役立ててみせますってね」
「詭弁もここまでくれば大したものだな」
「〜〜〜〜ッ!? ふざけんじゃねぇッ!!?」

 今正にソロモンの杖が再び悪事に利用されようとしている現実と、透が離れてしまった事も相まってクリスは激情に身を任せてギアペンダントを手に聖詠を口にしてシンフォギアを纏った。

 響が止める間もなくウェル博士に突撃するクリス。ウェル博士の傍に居るウィズは、ウェル博士やソロモンの杖に興味が無いのかクリスを止める素振りも無くメイジとノイズを相手にしに向かってしまった。

 ウェル博士からソロモンの杖を奪い返そうとクリスが手を伸ばす。
 が、その瞬間クリスとウェル博士の間に割り込む者が居た。まず真っ先に目に入るのは翻る黒いマント。それがクリスの視界を遮り、彼女の前進を阻んだ。

「なっ!?」

 足を止めた彼女に次に襲い掛かったのは、柄の長い斧による一撃だった。ハルバードと呼ばれるその武器の横薙ぎが襲い掛かり、クリスはウェル博士から離れるべく後ろに飛び退いた。

「くっ!?」
「クリスちゃん、大丈夫!?」
「あぁ、何てことはねぇ。それより……」

 響に心配されながら体勢を立て直すクリスの前で、マントが翻り乱入者の姿が露になった。

 目につくのは全身金色の鎧。だが輝くような金色ではなく、何処かくすんだ暗い金色だ。そして頭部にはウィザードの仮面の上にトンガリ帽子を被ったような形の仮面をしている。
 その姿はメイジよりも、ウィザードやウィズに近い姿をしていた。

 今までに見た事も無い魔法使い。メイジとは明らかに一線を画す姿のそいつに、クリスと響は警戒を強める。

「ご苦労様です。ソーサラー」

 ウェル博士からの賛辞に、しかしソーサラーは特に反応を返す事も無く2人に攻撃を仕掛けた。振り下ろされるハルバードを避け、クリスがハンドガン、響が拳で反撃する。だがその攻撃は、ソーサラーのマントで防がれてしまった。

「チッ! マントは飾りじゃねえってか!」
「クリスちゃん、どうしよう!? このままじゃ基地の人達がッ!?」

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