最終章:無限の可能性
第281話「求めていたモノ」
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モノだ。……だが、それでは俺に勝てん」
「っ―――」
そこからは、最早一方的だった。
吹き飛ばされ、叩き落され、防御を破られる。
どんなに力を高めようと、その上を行かれてしまう。
拮抗は完全に崩れ、防御すら儘ならずに打ちのめされるしかなかった。
「がっ、ぐっ、っっ……!」
地面を転がり、帝は倒れ伏す。
立ち上がろうと力を籠めるが、上手く行かない。
「(くそっ……!)」
“固有領域”を発揮してからの明確な敗北に、立ち上がれずにいたのだ。
「帝!?」
「っ……!」
声の方に目を向ければ、そこには未だに戦い続ける優奈の姿があった。
神夜も合流したのか、三人で四人の“天使”と戦っている。
「くっ……!」
「させないよ!」
帝に気を取られた優奈が隙を晒すが、葵がフォローする。
現在、四人の“天使”の内、一人は瀕死だ。
葵の無理矢理な同化でかなり“領域”を削っていた。
「(一人は倒している。なら、せめて俺が足止めしないと……!)」
目の前の神は、冗談抜きに強い。
なぜイリスの味方をしているのかと思う程、堂々とした強さだ。
そんな神が優奈達の戦いに乱入すれば、それこそ敗北してしまう。
それだけは阻止するために、帝は再度奮い立つ。
「はぁあああああっ!!」
気を開放し、再度“スーパーサイヤ人ゴッド”へとなる。
赤い燐光を撒き散らし、神へと挑みかかった。
「(目を逸らすな。決して見失うな。見極めろ、動きを―――ッ!)」
繰り出される拳と蹴りを、気合で防ぐ。
防ぐ度に衝撃が痛みとして体を駆け巡る。
だが、それすらも我慢して攻撃を受け止める。
「まだ立ち向かうか……」
「お前は、ここで止める……!」
一方、神は先ほどまでと違い、帝をどこか冷めた目で見ていた。
既に負けたからなのか、最早興味がない目だった。
「っ……!」
しかし、状況はすぐに変わる。
防ぎきれなかった一撃が顔を捉え、帝はたたらを踏む。
間髪入れずに腹に拳がめり込み、怯みで顔が下がった所を蹴り上げられた。
「かはっ……!?」
地面に倒れ、血反吐を吐く。
「(ダメだ……一度負けたら、勝てる気が……)」
憧れた存在の力ですら敵わなかった。
その事実が帝を苦しめる。
「(そりゃあ、こいつも興味を失うわな……)」
結果、帝は先ほどまでより弱くなっていた。
だからこそ、神は興味を失っていたのだ。
「―――トドメだ」
目の前に来ていた神が、掌に理力を集束させる。
優奈達はそちらの戦いで精一杯となっており、助けに来れる状況じゃない。
それを見
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