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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
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最終章『ふたりで…』
探偵と助手O/反撃の狼煙
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てしまったことを謝らないといけない。
どんな時も隣にいてくれた相棒の為に。
おっきーに、ごめんと伝えなきゃならない。

?

「…。」

ついさっき、俺が岡田以蔵と話をしていた防波堤。
そこに彼女はいた。
腰掛け、夜の海を眺めている。
いや、眺めてはいない。
多分こいつは待っている。

「すー、はー。」

1度深呼吸をして、落ち着いてから歩き出す。
普段はフツーに話せてたのに、どうしてこんな時は緊張すんだろな。
ただ謝ればいいだけなのに。最悪『ごめん』の三文字で済む問題なのに。
中々前に進まない足を出し、俺は彼女の横に何も言わず据わった。

「…。」
「…。」

重い沈黙。
何から話せばいいか分からない。
いや分かる。謝ればいい。
だけど口が思うように動かないし、声も発せられない。
けど、言うしかない。

「あのさ、ごめん…悪かったって。」
「…。」

彼女からの返事は、ない。
無視か?無視だろうな。
無視は一番傷つくんだぞ。
っておっきーを傷つけた俺が言えたもんじゃねーけど。

「ホントに、そう思ってるんだ。」
「…?」

土下座でもしようかなーなんて考えてたら、彼女は口を開いた。
ただ視線は海の方を向いており、俺の方は見てない。

「1時間46分。」
「え?」
「ここでケンカして、"姫のマスター"が謝りに来るまでの時間。」

姫のマスターって言うのやめろ。
なんかすごく距離感遠のいた気がするから。

「お前…もしかして…。」
「いつ謝りに来るのかなーって淡い希望をこめてヒメはこの寒空の下ずーっとこうして待ってました。なのに姫のマスターは全然来ません。」
「それは作戦会議してて…」
「へー。姫より作戦会議の方が大事なんだ。キミにとって姫はそんなちっぽけな存在なんだ。」

こいつ…めんどくせー女ムーブすんなよ…!
あとキミって言うのやめろ。距離感どんどん遠くなってくぞ。

「作戦会議したってことは、何か思いついたの?」
「…あ、当たり前だろ。お前と喧嘩別れした後、勝てるかもしれない妙案を思い出したんだよ。」
「ふーん。」

頬杖をついて、めんどくさそうに受け答えするおっきー。
表情を伺おうと顔を覗き込むが、距離を取られてしまった。

「悪かったって。ホントに。」
「…。」
「いつもの俺らしくなかったよ。でも、もう二度とああなったりしないからさ。」
「…。」
「俺だけじゃなく、2人で一緒に夢叶えたいんだ。お前と一緒に夢のような引きこもり生活をエンジョイしたい。だから俺は諦めちゃいけねーし、葛城財団は必ず倒さなきゃいけない。だからさ…。」

手を差し伸べる。

「もう一度力貸してくれ。俺はお前がいないと何も出来ない。
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