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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
ほんへ
最終章へと向かうその前に…
東・京・壊・滅
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だろうか気分を良くしているのか、
以蔵は何も答えない俺に対してそのまま昔話を始めた。

「わしにはマスターがいた。いや、まだ現界出来てるからまだマスターは生きちょる。だから"いる"方が正しいか。」
「…?」

現界出来てるから生きてる?
じゃあ今こいつはマスターと離れ離れになっているのか?

「わしとマスターは傭兵業をやっててのう。依頼があればどんな人間だろうがサーヴァントだろうが関係なく斬った。まさにわしとマスターは天才の二人じゃ。」

はははと笑いながら以蔵は酒を飲む。
気付けば俺もまた、こいつの話に耳を傾けていた。

まとめれば、
この岡田以蔵とそのマスターは世界崩壊後、傭兵として生きていくことを決意。
ついこの前まで学生であったマスターは人を殺すことに最初は苦労したが、以蔵が教えるとメキメキと頭角を現していった。

時節わしは剣の天才じゃがマスターも殺しの天才だったと褒めている辺り、こいつはマスターが好きだったんだろう。
じゃあなぜ?離れ離れになっている?
それは、次の話で明らかになった。

「ある時でっかい企業から仕事をもらっての。これで貧乏生活からおさらばじゃと二人で喜んだ。」
「その、企業ってなんだよ。」
「知らんのか?あの"葛城財団"じゃ。」

一瞬、耳を疑った。

「葛城…財団?」
「おう、気前もいいしマスターにも充分楽させてやれる。やっちょる事は人の道から外れた外道じゃが、わしらにとっては天国そのものでの。」
「…。」

じゃあこいつは…葛城財団お抱えの傭兵?

「けど、わしらの全盛期はそこまで。後は堕ちるのみじゃき。」
「え…。」
「ある依頼で標的を殺し損ねての。そこからどんどん失敗して行った…。」

以蔵いわく、葛城財団にとって目障りな人間を殺し生計を立てていたがとある依頼を境に、失敗を重ねるようになったのだと言う。
そのたびに職員からの態度は悪くなり、待遇も粗末なものとなり、やがて…

「忘れもせん…新しい傭兵に負かされ、わしらは追い出された。」
「あのさ、それって…」
「ん、なんじゃ?」
「ランスロットとかいう、奴だろ。」

俺がそう言うと、以蔵は手を叩いた。

「おお!そいつじゃ!ぶりてんのいけ好かない剣士じゃ!あいつの剣筋だけは見切れなくてのう。剣の天才のわしが手も足も出ない程、理不尽に強くてかなわんかった。」

度重なる仕事の失敗。
そして待ち受けていたのはクビの宣告と新たなお抱え傭兵からの粛清。
命からがら逃げたが以蔵とマスターは、再起を狙った。

「代表が一番狙っていた標的を仕留めて連れてくれば、またわしらを見直してくれるかもしれない、そう思ったが、簡単にはいかん。返り討ちにされたぜよ。」

代表、葛城 恋が一
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