最終章:無限の可能性
第280話「死闘の先を掴むのは」
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あああっ!!」
線のように伸びた一撃が、“天使”を貫く。
それだけでは決して倒れはしないが、防戦一方の状況を変えた。
間髪入れずに葵は“意志”と共に踏み込み、レイピアで追撃を放つ。
「っ……!?」
しかし、何撃かを掠らせはしたが、他は障壁で防がれ、転移されてしまった。
空ぶった事で、葵は体勢を崩し―――
「(読み通り……!)」
否、それを想定していた事で、そのまま前に踏み込んだ。
今葵が目的としているのは、“天使”の打倒ではない。
他二人との合流だ。
「逃がすか!」
「ふッ……!」
一直線に駆けだした葵を阻むように、“天使”が転移で追う。
だが、さすがに転移にも見慣れたのか、即座に葵はレイピアを生成して牽制した。
「(勝つには、一歩踏み込む“意志”が必要。ただ合流を目指すような“逃げ”では、勝てない。だから……!!)」
戦闘に関する“性質”なだけあり、“天使”も戦闘経験は豊富だ。
それでも、転移先を予測する事ぐらいは出来る。
「ここッ!!」
振り返り、レイピアを生成する。
そのレイピアで牽制し、転移直後の攻撃を僅かに逸らす。
それによって生じた隙を突き、渾身の一撃を叩き込んだ。
「ッッ……!?」
「十分な“意志”があれば、ダメージを与えられる……なら!」
葵はそこからさらに体を蝙蝠に変える。
その蝙蝠をレイピアを刺した箇所から無理矢理“天使”に押し込む。
「あたしと“意志”の削り合い……やろうよ……!」
「貴様……ッ!?」
無理矢理一体化する事によって、直接“領域”を削りに行く。
ここまで“領域”に肉薄されれば、“死闘の性質”は“天使”にも働く。
……つまり、ここに来て純粋な根競べとなった。
「ぐッ……!」
「一応吸血鬼だからね……!“領域”ごと血を吸ってあげる……!」
「させるか……ッ!」
互いに一気に動きが鈍る。
その上で、攻防を繰り広げる。
「あはは!“死闘”らしくなってきたじゃん!」
「くっ……!」
互いに“死闘”となるため、実力は拮抗する。
レイピアと理力の剣が何度もぶつかり合い、火花を散らす。
「っ……!」
葵が無理矢理“天使”と同化させたため、お互いに全力が出せない。
その状態でも戦い続け……状況が変わる。
「葵ッ!」
「ッ!!」
剣が降り注ぎ、同時に優奈が現れる。
直後に理力による砲撃の雨が降り注ぎ、優奈がそれを逸らして防ぎきる。
「……なかなか追い詰めてるじゃない……!」
「そっちこそ、よく三人相手に戦えるね……!」
お互いにすぐ状況を理解し、背中合わせにな
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