暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第280話「死闘の先を掴むのは」
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
あああっ!!」

 線のように伸びた一撃が、“天使”を貫く。
 それだけでは決して倒れはしないが、防戦一方の状況を変えた。
 間髪入れずに葵は“意志”と共に踏み込み、レイピアで追撃を放つ。

「っ……!?」

 しかし、何撃かを掠らせはしたが、他は障壁で防がれ、転移されてしまった。
 空ぶった事で、葵は体勢を崩し―――

「(読み通り……!)」

 否、それを想定していた事で、そのまま前に踏み込んだ。
 今葵が目的としているのは、“天使”の打倒ではない。
 他二人との合流だ。

「逃がすか!」

「ふッ……!」

 一直線に駆けだした葵を阻むように、“天使”が転移で追う。
 だが、さすがに転移にも見慣れたのか、即座に葵はレイピアを生成して牽制した。

「(勝つには、一歩踏み込む“意志”が必要。ただ合流を目指すような“逃げ”では、勝てない。だから……!!)」

 戦闘に関する“性質”なだけあり、“天使”も戦闘経験は豊富だ。
 それでも、転移先を予測する事ぐらいは出来る。

「ここッ!!」

 振り返り、レイピアを生成する。
 そのレイピアで牽制し、転移直後の攻撃を僅かに逸らす。
 それによって生じた隙を突き、渾身の一撃を叩き込んだ。

「ッッ……!?」

「十分な“意志”があれば、ダメージを与えられる……なら!」

 葵はそこからさらに体を蝙蝠に変える。
 その蝙蝠をレイピアを刺した箇所から無理矢理“天使”に押し込む。

「あたしと“意志”の削り合い……やろうよ……!」

「貴様……ッ!?」

 無理矢理一体化する事によって、直接“領域”を削りに行く。
 ここまで“領域”に肉薄されれば、“死闘の性質”は“天使”にも働く。
 ……つまり、ここに来て純粋な根競べとなった。

「ぐッ……!」

「一応吸血鬼だからね……!“領域”ごと血を吸ってあげる……!」

「させるか……ッ!」

 互いに一気に動きが鈍る。
 その上で、攻防を繰り広げる。

「あはは!“死闘”らしくなってきたじゃん!」

「くっ……!」

 互いに“死闘”となるため、実力は拮抗する。
 レイピアと理力の剣が何度もぶつかり合い、火花を散らす。

「っ……!」

 葵が無理矢理“天使”と同化させたため、お互いに全力が出せない。
 その状態でも戦い続け……状況が変わる。

「葵ッ!」

「ッ!!」

 剣が降り注ぎ、同時に優奈が現れる。
 直後に理力による砲撃の雨が降り注ぎ、優奈がそれを逸らして防ぎきる。

「……なかなか追い詰めてるじゃない……!」

「そっちこそ、よく三人相手に戦えるね……!」

 お互いにすぐ状況を理解し、背中合わせにな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ