第一幕その四
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「蛸は少ないからね、あと味もね」
「烏賊の墨程じゃないのね」
「それで食べない」
「墨は食べない」
「そうなんだね」
「そう、ただポリネシア達が毒のお話をしたけれど」
蛸にはというのです。
「実は毒がある蛸もあるよ」
「じゃあ食べると死ぬんだ」
「そうした蛸を食べたら」
「そんな蛸もいるんだ」
「蛸も色々ね」
「うん、噛まれても大変なことになるから」
毒があってです。
「注意しないとね」
「というか毒があるとかね」
「蛸もそうなんて」
「河豚だけじゃないのね」
「そうだよ、あと蟹にも毒がある種類がいるよ」
この生きものにもというのです。
「これがね」
「そうなんだ」
「蟹にも毒あるの」
「じゃあその蟹を食べても大変ね」
「命に関わるね」
「スベスベマンジュウガニといってね」
先生はその蟹の種類もお話しました。
「沖縄の方にいるんだ」
「成程ね」
「じゃあその蟹も食べない」
「スベスベマンジュウガニも」
「食べないことだね」
「うん、そうしないと」
今は普通の蛸のたこ焼きを食べながら言いました。
「実際にとんでもないことになるよ」
「そうだね」
「毒には気をつけないとね」
「河豚だけじゃない」
「そのことはね」
皆でこうお話しました、そしてです。
皆はそれぞれたこ焼きを食べながらお話を楽しみました、今では皆たこ焼きを楽しんでいます。イギリスでは食べないこの生きものを使ったお料理を。
そのお話の次の日です、先生は大学で研究室に来た人からこんなことを言われました。落ち着いた感じの中年の男の人です。
「三重県、鳥羽でのことですが」
「あの水族館のある」
「はい、その鳥羽の海で」
そこでというのです。
「おかしな蛸がいるとです」
「噂になっていますか」
「そうなのです、ですから」
男の人は先生にお話しました。
「時間がある時に」
「鳥羽まで行ってですか」
「調査をお願いしたいのですが」
「はい、それではです」
先生は男の人に笑顔で答えました。
「今度の夏休みにです」
「その時にですか」
「鳥羽に行かせてもらって」
それでというのです。
「調べさせてもらいます」
「宜しくお願いします」
「それでどういった蛸でしょうか」
先生は男の人に尋ねました。
「一体」
「赤くない蛸とか」
「赤くないのですか」
「そして不思議な模様の」
「まさか」
そう聞いてです、先生は。
どうかというお顔になってそれで言いました。
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